ハーグ条約の実施
外務省(政策課 ハーグ条約室)の事業。令和7年度当初予算 1.3億円(前年度 1.3億円)、令和8年度概算要求 1.7億円。主な支出先はfrauenberatungsstelle dusseldorf e.V.、個人B。
事業の目的
ハーグ条約(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約)は、子の監護に関する事項において子の利益が最も重要であるとの考えに基づき、国境を越えて一方の親が不法に子を連れ去った(又は留置した)場合に子を元の居住国へ迅速に返還するための手続、及び国境を越えた親と子との交流を実現するための手続や、締約国間の協力について定めた条約。ハーグ条約の日本の「中央当局」は外務大臣であり、外務省領事局ハーグ条約室が、ハーグ条約や条約実施法(国内法)に従い、条約が対象とする事案の当事者に対し問題解決のための援助を行うほか、海外における邦人DV被害者への支援、条約に関する国内外広報及び我が国の取組に係る対外発信業務を実施し、邦人保護に最優先で取り組むとともに、子を含む在留邦人の国境を越える移動に係るトラブルの防止に努める。こうした業務により、条約を誠実に履行しつつ、子の連れ去り等をめぐる諸問題の解決を通じて、子の利益を増進する。
事業の概要
法曹関係者、DV対応専門家等の専門家を配置(採用)しつつ、ハーグ条約の当事者双方に対し問題を解決するための支援を行う。具体的には、①子の所在特定、②話合いによる解決(裁判外紛争解決(ADR)機関による協議のあっせん等:業務委託)の促進、③親子の交流の促進(親子交流支援団体による支援:業務委託)、④ハーグ条約手続開始支援(援助申請書や裁判資料の翻訳支援:業務委託)、⑤法律に関する援助(弁護士紹介等)、⑥子の安全な返還支援のための行政上の措置(代替執行の立会い等)を行う。また、⑦ハーグ条約に関する広報(国内外におけるセミナー、広報・啓発資料の作成と発信)を行うほか、⑧海外在留邦人DV被害者への支援(DV被害者支援団体への業務委託)、⑨他国の中央当局との相互協力(国際会議、二国間協議)等を行っている。
現状・課題
(現状)
条約発効後の11年間で外務大臣が援助決定を行った546件のハーグ条約事案において、当事者に対し、外国中央当局との調整や協議のあっせん等の支援を行ってきた。また、5か国のDV被害者支援団体と連携し、海外在留邦人がDV被害について日本語で相談できる体制を整えている。さらに、ハーグ条約の認知度を高めるため、外務省ホームページを通じた情報の発信、国内外における年間30回程度のセミナーの開催等の広報活動を行うとともに、外国の中央当局との意見交換や我が国の取組に対する理解促進、及び国際会議への参加を通じ、関係国や国際機関との連携の強化に努めている。
(課題)
ハーグ条約事案の当事者の中には、DV被害を訴える者も多いことから、海外のDV被害者支援団体への業務委託の拡充を含め、DV被害に悩む海外在留邦人が適時適切に相談できる体制の強化が急務である。
また、日本は条約に沿って適切に事案に対処してきているが、一部の国においては、日本人親による日本への子の連れ去りが行われた場合に子が返還されず、子との交流も実現しないとの誤った認識から、日本人親が子をめぐる裁判で困難な状況におかれる、あるいは、日本人親が子を伴い一時帰国する際に他方の親の事前同意や裁判所の許可が得られないケースが見られる。このことから、海外の裁判所を含めた関係者等に対し、日本のハーグ条約の実施状況に関する正しい認識を広め、子を持つ在留邦人の利益を確保するための更なる取組強化が課題である。
予算の推移
| 令和3年度 | 令和4年度 | 令和5年度 | 令和6年度 | 令和7年度 | 令和8年度要求 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1.3億円 | 1.3億円 | 1.3億円 | 1.3億円 | 1.3億円 | 1.7億円 |
当初予算。
支出先(国から直接、上位10者)
令和6年度の支出実績。支出先は全40者。
| 支出先 | 法人番号 | 契約方式 | 金額 |
|---|---|---|---|
| frauenberatungsstelle dusseldorf e.V. | — | 随意契約(その他) | 0.07億円 |
| 個人B | — | その他 | 0.06億円 |
| 個人C | — | その他 | 0.06億円 |
| 個人D | — | その他 | 0.06億円 |
| 株式会社メディア総合研究所 | 4011001041557 | 一般競争契約(最低価格) 3者 | 0.05億円 |
| リトル東京サービスセンター | — | 随意契約(その他) | 0.05億円 |
| Bonnie Support Services Ltd | — | 随意契約(その他) | 0.05億円 |
| 個人E | — | その他 | 0.05億円 |
| 個人F | — | その他 | 0.05億円 |
| JB Line,Inc. | — | 随意契約(その他) | 0.05億円 |
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政策:Ⅳ 領事政策
施策:1-1 領事業務の充実(領事サービスの充実)
- 旅券関連業務 80.4億円
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根拠法令・関係する計画
- 国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約
- 国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律第3条から第25条及び第142条
比較・検索できる画面で見る レビューシート原本(行政事業レビュー見える化サイト)
出典:行政事業レビュー見える化サイト 令和7年度版のレビューシート(事業番号 1088)を加工。