Fiscast
トップテーマ賃上げとリスキリング

議論が活発関連事業 8令和7年度当初 1,051億円令和8年度要求 1,120億円

賃上げとリスキリング

最低賃金は2025年度に過去最大の66円、2026年度も56円引き上げられ全国加重平均1,177円になる見込み。政府は「全国平均1,500円」の達成時期を骨太2026で「遅くとも2030年代前半」と書き直し、地方審議会の目安超え競争や発効日の後ろ倒しをどう抑えるかが制度運用の焦点になった。引上げを支える業務改善助成金やキャリアアップ助成金を、補正頼みから当初予算(投資枠)へ移せるかも問われている。

選んだ理由:最低賃金の引上げ支援と省力化投資が伸びる。予算の大半は非正規雇用のキャリアアップ助成。中央最低賃金審議会などの開催が多い。

中心の会議体・場

上の会議体は、テーマの中心として手で選んだもの。事業と会議体の自動の紐付け(事務局の課室の一致)は、テーマの事業8件のうち4件。

ブリーフ

対象期間 2026-06-23〜2026-09-29。「読み筋」は資料からの要約・解釈です。

2026.09.03 地域別最低賃金:全47都道府県で答申出そろう、全国加重平均1,177円(+56円)

厚生労働省

読み筋前年(39道府県で目安超え、うち11県で10円以上、6県が年明け発効)と比べると、上乗せ幅も発効日のばらつきも小さくなった。6月の全員協議会の「整理」が地方の審議に一定の歯止めをかけたと読める。

原文:厚労省 答申状況の公表 / 答申状況一覧(別紙)

2026.08 令和9年度概算要求:業務改善助成金を543億円(当初21億円)に、全額「強く豊かな日本」投資枠

厚生労働省

読み筋これまで補正予算で積んできた業務改善助成金を当初予算の投資枠で要求し直した形で、中賃答申の「業務改善助成金の充実」要望に応えたものと読める。実際の額は12月の予算編成で決まる。

原文:厚労省 R9概算要求の概要 / 主要施策集(賃上げ環境整備) / R9概算要求関係ページ

2026.07.28 中央最低賃金審議会 第75回:目安はAランク54円、B・Cランク56円(全国加重平均4.9%・55円)

厚生労働省

読み筋前年はCランクに最も高い目安を示したが、今年はBとCを同額にとどめ、地方での上乗せ余地を前提にしない組み立てに変えたと読める。労使双方が公益見解に「不満の意」を表明しており、額の根拠をめぐる対立は残る。

原文:答申ページ / プレスリリース / 目安小委員会報告 / 公益委員見解・参考資料

2026.07.21 骨太方針2026を閣議決定:最低賃金1,500円は「遅くとも2030年代前半できる限り早期に」

内閣府

読み筋「2020年代」の旗は降ろさずに、達成の下限を2030年代前半へ広げた書き方で、事実上の目標時期の後ろ倒しと読める。中賃の公益委員見解もこの文言を引用して目安を組み立てている。

原文:骨太方針2026 本文 / 閣議決定ページ

2026.06.23 全員協議会:「令和7年度地方最低賃金審議会の審議結果を踏まえた論点と考え方の整理」

厚生労働省

読み筋2025年度の「目安超え競争」と越年発効への事実上の是正要請で、9月の地方答申の結果(上乗せ幅・発効日の縮小)に反映されたとみられる。ランク制度の抜本見直しは先送りされた。

原文:論点と考え方の整理 / 第73回 資料

次に来ること

流れ

日付できごと種類
2024.07.25中賃が2024年度目安を答申(A・B・Cとも50円)。地方答申を経て全国加重平均1,055円(+51円)に 厚生労働省
2025.06.13骨太方針2025を閣議決定:「2020年代に全国平均1,500円」の目標 内閣府
2025.08.04中賃が2025年度目安を答申(A・B 63円、C 64円)。目安制度開始以来の最高額 厚生労働省
2025.09.052025年度の地方答申が出そろう:全国加重平均1,121円(過去最大+66円)、39道府県が目安超え 厚生労働省
2025.12.25同一労働同一賃金部会が施行5年後見直しの報告案を審議(法的枠組みは変えずガイドラインを明確化) 厚生労働省
2026.01取適法(改正下請法)・改正振興法が施行、価格転嫁・取引適正化を強化 国会
2026.02.27中賃「目安制度の在り方に関する全員協議会」が再開(第1回) 厚生労働省
2026.03.02同一労働同一賃金部会が省令案要綱等を審議(2026年10月1日施行) 厚生労働省
2026.03.31秋田県の2025年度最低賃金が発効。発効日は10月1日(栃木)から翌年3月31日まで分散 厚生労働省
2026.06.23全員協議会が「論点と考え方の整理」:目安超え競争と発効日の交渉材料化を戒める 厚生労働省
2026.06.24中小企業庁「労働供給制約社会における中堅・中小企業の『稼ぐ力』強化戦略」を策定・公表 経済産業省
2026.06.26厚労大臣が中賃に2026年度目安を諮問、目安小委員会を設置 厚生労働省
2026.07.21骨太方針2026を閣議決定:1,500円は「遅くとも2030年代前半できる限り早期に」 内閣府
2026.07.28中賃が2026年度目安を答申(A 54円、B・C 56円) 厚生労働省
2026.08令和9年度概算要求:業務改善助成金543億円(当初21億円)を投資枠で要求 厚生労働省
2026.09.032026年度の地方答申が出そろう:全国加重平均1,177円(+56円)、33府県が目安超え 厚生労働省
2026.10.01(予定)2026年度最低賃金の発効開始、同一労働同一賃金ガイドライン改正の適用 厚生労働省 · 予定

論点

論点立場A立場Bいま
1,500円目標の時期骨太2025:「2020年代に全国平均1,500円」骨太2026:「遅くとも2030年代前半できる限り早期に」達成2026年度は1,177円で、目標まで323円。毎年の額は法定3要素に基づき審議会で決めるとの位置づけは両方針で共通。
引上げ額の根拠労働者側(目安小委報告):生計費を賄える水準へ大幅引上げ、中期的に一般労働者の賃金中央値の6割を重視。支払能力は問題ない使用者側(同):罰則付きで全企業に適用される以上、小規模企業の支払能力を重視。中東情勢等のコスト増、防衛的賃上げに留意公益委員見解で全国加重平均4.9%(55円)を基準に決着。労使とも「不満の意」を表明。
地方の目安超え全員協議会の整理:近隣県比較・最下位回避による上乗せは不適切、大幅上乗せは理由を公表労働者側:Cランクの大幅上乗せは地域の自主性の結果だが目安の意義が問われる、額差是正のメッセージを強めるべき目安超えは2025年度39道府県→2026年度33府県、最大上乗せは+9円(佐賀)に縮小。
発効日の後ろ倒し労働者側:法定発効が基本、指定日発効は特別な理由に限る。年収の壁は給付付き税額控除など別制度で対応を使用者側:準備期間確保のため年初発効を求める声が多く、指定日発効には一定の意義整理で「交渉材料にしない」と確認。2026年度は最遅12月2日、11月以降10県で越年なし(前年は27府県が11月以降、6県が越年)。
地域間格差とランク区分骨太2026:最高額に対する最低額の比率を引き上げ格差是正全員協議会の委員意見:ABC区分の枠組み自体を見直すべき、ランク区分が格差の一因2026年度の比率は84.8%。ランク区分の見直しは継続議論。
最低賃金水準の国際指標(EU指令)労働者側:中央値の6割水準を重視全員協議会・公益委員見解:OECD比では中央値の46.4%だが、所定内給与なら61.2%。賃金の範囲など定義を精査して議論すべき「一定の時間をかけて議論を尽くす」として継続。
非正規の待遇(同一労働同一賃金)労働者代表委員:無期転換者を含む無期フルタイム労働者も待遇改善の対象に部会報告:現時点では法的枠組みを変えず、ガイドラインで均衡考慮の趣旨を示すガイドライン明確化と省令改正を2026年10月1日から適用。法規定の在り方は施行状況を見て検討。

立場は、中央最低賃金審議会目安に関する小委員会報告(2026年7月28日)、全員協議会「論点と考え方の整理」(2026年6月23日)、公益委員見解、骨太方針2025・2026、同一労働同一賃金部会報告に基づく。

人

中心の会議体の構成員(公開名簿より)。

中央最低賃金審議会

名簿の時点 2026年6月1日(目安小委員会の委員は2026年7月28日答申の参考6)

お金

このテーマに束ねた8事業。令和7年度当初 1,051億円 → 令和8年度要求 1,120億円。

事業府省当初要求
非正規雇用の労働者のキャリアアップ事業の実施厚生労働省1,025億円1,022億円
最低賃金引上げに向けた中小企業・小規模事業者支援事業厚生労働省14.5億円35.2億円
中堅・中小・スタートアップ企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金経済産業省8.7億円52.5億円
中小企業リスキリング支援事業厚生労働省2.5億円2.6億円
第三次・担い手3法施行に向けた建設業の賃上げのための環境整備国土交通省0円—
産業構造変化を見据えたスキル可視化・リスキリング基盤整備事業経済産業省0円—
介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業厚生労働省0円—
中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金(地域企業経営人材確保支援事業給付金)経済産業省0円7.4億円

注目点

  1. 10月1日から12月2日にかけての各地の発効で、発効日の分散が前年より縮んだことが賃金実態にどう出るか。
  2. 12月の令和9年度予算編成で、業務改善助成金543億円(投資枠)がどこまで当初予算に入るか。
  3. 「遅くとも2030年代前半」の1,500円目標に対し、2027年度以降の目安がどの水準で組まれるか。
  4. 全員協議会でのランク区分とEU指令(中央値6割等)の議論が、いつ再開・取りまとめに向かうか。
  5. 同一労働同一賃金ガイドライン改正(10月1日適用)の後、法規定の見直しに進むかどうか。

出典

この解説は、AI が公開資料と報道を読んで出典つきでまとめ、別の AI が抜き取りで事実確認したものです。数字や日付は出典で確かめてから使ってください。誤りは [email protected] へ。

画面で見る(年表の絞り込みなど) テーマ一覧