共同利用・共同研究システム形成事業
文部科学省(研究振興局 大学研究基盤整備課)の事業。令和7年度当初予算 6.6億円(前年度 7.2億円)、令和8年度概算要求 23.9億円。主な支出先は国立大学法人大阪大学、国立大学法人東北大学。
事業の目的
・公私立大学の特色ある学術資料、研究設備等の研究資源について、他大学等の研究者の利用に供するための体制整備への助成を実施し、他大学等の研究者の研究機会の拡大と共同利用・共同研究の増加、もって当該研究分野全体の研究水準の向上を実現する。
・加えて、各研究分野で共同利用・共同研究機能を持つ研究拠点※どうしの連携のための体制整備への助成を実施し、学際的な共同利用・共同研究の増加、もって当該学際的研究分野の共同研究ネットワークの構築・組織化を実現する。
※大学共同利用機関や国公私立大学の共同利用・共同研究拠点等
・共同利用・共同研究体制を強化・充実することで、我が国における研究の厚みを大きくするとともに、全国的な次世代の人材育成にも貢献する。
・また、オートメーション/クラウドラボの形成により、AI時代にふさわしい研究システム改⾰を先導する。
・上記四点から、多様で卓越した研究を生み出す環境の再構築を目指す。
事業の概要
【EBPMアクションプラン関連事業】
(1)特色ある共同利用・共同研究拠点支援プログラム
文部科学大臣の認定を受けた公私立大学の共同利用・共同研究拠点を対象に、拠点としての研究環境の整備に係るスタートアップのための支援や、拠点機能の更なる強化を図る取組等への支援を行う。
(2)学際領域展開ハブ形成プログラム
大学共同利用機関や国公私立大学の共同利用・共同研究拠点等が、従来と異なる研究機関・研究者コミュニティと連携するための「新たなシステム」(ハブ)の形成等に関する計画と、当該計画に基づく新分野への展開、次世代の人材育成等に関する構想の実現を推進するための支援を行う。
(3)大学の枠を超えた研究基盤設備強化・充実プログラム
国公私立大学の共同利用・共同研究拠点に認定された研究施設等における新規技術・設備開発要素が含まれる最先端の中規模研究設備の整備に係る費用の支援を行う。
(4)大規模集積研究システム形成先導プログラム
AI時代にふさわしい研究システム改革を先導するため、研究設備の自動化・自律化・遠隔化による大規模なオートメーション/クラウドラボ形成への支援を行う。
現状・課題
国立大学の附置研究所等における、個々の大学の枠を超えた施設・設備、資料等の共同利用や、全国の研究者との共同研究は、我が国の科学技術の発展に大きく貢献してきた。一方、公私立大学においても特色ある分野における膨大で優れた学術資料・研究設備等が存在しているにもかかわらず、国立大学のようにそれらを大学の枠を越えて活用を促す制度が整備されておらず、我が国の研究資源を十分に活用しきれていない状態であった。
このため平成20年度から、各研究分野の中核的な位置付けにあること、優れた学術資料や研究設備等を、所属にかかわらず広く研究者に提供していること等の条件を満たした研究施設について、国公私立大学を問わず「共同利用・共同研究拠点」として認定する制度を創設し、公私立大学の更なる共同利用・共同研究体制への参画を促し、学術研究の一層の発展を図っているところ。
また、我が国全体の大学研究力を底上げするには、大規模な研究大学の支援にとどまらず、全国の国公私立大学等に広く点在するポテンシャルを引き出す必要がある中、各大学単位の成長や競争が重視される中で、大学の枠にとどまらない研究組織の連携が進みにくい状況である。このため、令和5年10月より、異分野の研究機関と連携し、より多くの研究者に機会を提供するための分野を超えたネットワーク形成を推進するためのプログラムを開始、これまでに10件(実施機関:10、参画機関:49)を採択した(令和7年4月1日現在)。
共同利⽤・共同研究体制は、中規模研究設備等を通じて当該分野における共同利⽤・共同研究を組織の枠を超えて全国の研究者に提供するシステムであるため、現在の法⼈単位の経営マネジメント上では、中規模研究設備の計画的かつ継続的な整備・更新が進みにくい状況である。特に、新規技術・設備開発要素が含まれる最先端の中規模研究設備は、⾼度化及び光熱費の⾼騰により、維持に係る経費の確保が⼀層困難になっている。このような状況では、最先端の研究の実施に必要な研究設備の整備や運⽤が継続的に進まず、我が国の研究⼒の⼀層の低下が危惧され、国として全国的な観点からの中規模研究設備の整備が必要である。
研究が大型化し、多様かつ高度な解析が求められる状況において、全国に点在する意欲・能力ある研究者が、能力を最大限発揮できる環境の構築が重要である。また、世界的にAI for Science による科学研究の革新が進展する中、我が国においても、より多くの研究者がAIを活⽤した研究環境を利⽤でき、⾼品質かつ⼤量のデータを継続的に⽣み出すシステム構築が急務である。
予算の推移
| 令和3年度 | 令和4年度 | 令和5年度 | 令和6年度 | 令和7年度 | 令和8年度要求 |
|---|---|---|---|---|---|
| — | 2.6億円 | 6.6億円 | 7.2億円 | 6.6億円 | 23.9億円 |
当初予算。令和7年度は別に補正予算 52.0億円。
支出先(国から直接、上位10者)
令和6年度の支出実績。支出先は全20者。
| 支出先 | 法人番号 | 契約方式 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 国立大学法人大阪大学 | 4120905002554 | 補助金等交付 | 0.95億円 |
| 国立大学法人東北大学 | 7370005002147 | 補助金等交付 | 0.64億円 |
| 大学共同利用機関法人自然科学研究機構 | 5012405001823 | 補助金等交付 | 0.64億円 |
| 国立大学法人東海国立大学機構 | 3180005006071 | 補助金等交付 | 0.50億円 |
| 国立大学法人東京大学 | 5010005007398 | 補助金等交付 | 0.47億円 |
| 国立大学法人筑波大学 | 5050005005266 | 補助金等交付 | 0.45億円 |
| 国立大学法人九州大学 | 3290005003743 | 補助金等交付 | 0.45億円 |
| 国立大学法人東京科学大学 | 9013205001282 | 補助金等交付 | 0.45億円 |
| 国立大学法人金沢大学 | 2220005002604 | 補助金等交付 | 0.45億円 |
| 公立大学法人大阪 | 5120005020803 | 補助金等交付 | 0.42億円 |
関係する会議
事業の担当課・室が事務局を務める会議体(つなぎ方)。
- 科学技術・学術審議会への諮問について 文部科学省 · 最終開催 2026.01.13
- 科学技術・学術審議会への諮問について 文部科学省 · 最終開催 2026.02.09
- 科学技術・学術審議会への諮問について(国際卓越研究大学研究等体制強化計画の認可について) 文部科学省 · 最終開催 2026.07.07
- 大学研究力強化部会(第13期~) 文部科学省 · 最終開催 2026.05.22
- 科学技術・学術審議会への諮問について(国際卓越研究大学の認定について) 文部科学省 · 最終開催 2026.07.07
同じ施策の事業
政策:8 知のフロンティアを開拓し価値創造の源泉となる研究力の強化
施策:8-2 基礎研究・学術研究の振興
- 科学研究費助成事業 2,379億円
- 国立大学法人における先端研究の推進 106億円
- 世界トップレベル研究拠点プログラム 71.5億円
- 国立大学法人施設整備(大型特別機械整備費等(最先端等)) 25.6億円
- 日本学士院会員年金の支給等に必要な経費 4.5億円
- 人文学・社会科学のDX化に向けた研究開発推進事業 0.98億円
- 科学官の運営等 0.25億円
- 科学研究情報発信基盤の強化 0.08億円
- 大学が保管するアイヌ遺骨の返還に向けた手続等に関する調査研究 0.06億円
- 学術研究機関調査支援事業 0.04億円
根拠法令・関係する計画
- ・共同利用・共同研究体制の強化に向けて(審議のまとめ)(平成27年1月28日科学技術・学術審議会学術分科会研究環境基盤部会)
- ・第6期科学技術・イノベーション基本計画(令和3年3月26日閣議決定)
- ・統合イノベーション戦略2022(令和4年6月3日閣議決定)
- 中規模研究設備の整備等に関する論点整理(令和5年6月27日科学技術・学術審議会学術分科会研究環境基盤部会)
- EBPMアクションプラン2024(令和6年12月26日経済財政諮問会議)
比較・検索できる画面で見る レビューシート原本(行政事業レビュー見える化サイト)
出典:行政事業レビュー見える化サイト 令和7年度版のレビューシート(事業番号 5785)を加工。