有明海再生関係事業
農林水産省(整備部 農地資源課)の事業。令和7年度当初予算 20.0億円(前年度 10.0億円)、令和8年度概算要求 20.0億円。主な支出先は九州農政局、水産庁。
事業の目的
有明海においては、「有明海及び八代海等を再生するための特別措置に関する法律(有明海等特措法)」に基づき、有明海を豊かな海として再生することを目指して、国及び関係県が協力して、海域の環境の保全及び改善並びに水産資源の回復等による漁業の振興を総合的かつ計画的に推進しているところである。
本事業においては、二枚貝類をはじめとする重要魚種の資源回復に向けた調査等を行うとともに、令和7年度から10年間を有明海再生の加速化対策期間と位置づけ、これら調査等の成果を活用して、漁場改善や経営改善等の取組等を支援し、
・ 二枚貝類の生産性の回復による海域環境の改善
・ 多種多様な水産資源の持続的・安定的確保
・ 持続的な漁業経営モデルの確立・普及
を目指していく。
事業の概要
有明海沿岸4県や関係漁業団体が構成員となっている連絡協議会において、以下の事業に関する計画や実施状況等について情報共有・意見交換を行いながら実施する。
① 調査・技術開発・実証
環境省の評価委員会の再生目標及び再生方策を踏まえ、調査・実証・技術開発を、有明海沿岸4県と協調して実施する。また、調査等の結果については、評価委員会に報告し、今後の検討に活用される。
・ 特産魚介類の最適な生息環境の調査や産卵場や成育場のネットワークの形成等による資源回復に向けた調査
・ 海域特性に対応した効率的な種苗の量産化及び効果的な放流手法等に関する技術開発
② 有明海再生加速化対策
令和7年度から10年間を加速化対策期間と位置づけ、上記調査等の科学的知見を活用し、漁業者による漁場環境改善や経営改善の取組等を支援する。
・ 漁場環境改善や水産資源確保の加速化支援
・ 漁業者の経営改善・発展支援
・ 新技術等の新たな挑戦支援
現状・課題
〇 有明海をめぐる状況
有明海は閉鎖性が高く、大きな潮位差と広大な干潟・汽水域などの特徴を有し、稀有な生態系を有した水産資源の宝庫である。二枚貝類、甲殻類、魚類の漁業が営まれ、1950年代以降、湾奥部で採貝漁業からノリ養殖業への転換が進み、我が国の主要産地となっている。
しかし、経済社会や自然環境の変化に伴い環境が変化し、赤潮や貧酸素水塊の発生等が見られる中で、二枚貝をはじめとする資源の減少が長期的に進んでいる。さらに近年は、社会経済情勢等も大きく変化し、また、気候変動に伴う気温や水温の上昇、豪雨やそれに伴う大規模出水等による影響も顕在化している。
以上のような状況に対し、有明海等特措法に基づいて、海域の環境の保全・改善や水産資源の回復等による漁業の振興に向け、関係省庁及び関係県は、調査や各種事業等を実施している。また、これら調査等については、有明海等特措法に基づき環境省に設置された「有明海・八代海等総合調査評価委員会(評価委員会)」に報告され、有明海再生に係る評価が行われている。
〇 4県協調の有明海再生の取組
農林水産省は、平成17年度に有明海沿岸4県、関係漁業団体等を構成員とする「有明海漁場環境改善連絡協議会(連絡協議会)」を設置し、本事業を含む、農林水産省の有明海再生対策の効果的な実施等について意見交換を行っている。平成27年度からは、評価委員会の検討成果(再生目標、再生方策等)を踏まえて、漁場環境の改善に寄与する二枚貝類の生産性の回復に向けた内容を中心に、沿岸4県と協調して、調査、技術開発、実証実施している。
〇 本事業が対象とする課題
農林水産省は、令和7年度に有明海再生加速化対策交付金を創設し、10年間で有明海再生の加速化対策を進めていくこととした。同交付金制度については、連絡協議会等を通じて、沿岸4県や関係漁業団体と意見交換を行いながら、具体化の検討を行った。この検討において、上記の有明海をめぐる状況を踏まえ、課題を以下のように整理した。
・二枚貝の減少や海域環境の悪化
・多種多様な水産資源の減少(漁獲量の減少)
・漁業者の高齢化・減少
予算の推移
| 令和3年度 | 令和4年度 | 令和5年度 | 令和6年度 | 令和7年度 | 令和8年度要求 |
|---|---|---|---|---|---|
| 10.0億円 | 10.0億円 | 10.0億円 | 10.0億円 | 20.0億円 | 20.0億円 |
当初予算。
支出先(国から直接、上位10者)
令和6年度の支出実績。支出先は全26者。このほか再委託・再交付の先が 22 件あります(金額は上の支出と重なるため合計しません)。
| 支出先 | 法人番号 | 契約方式 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 九州農政局 | — | その他 | 6.0億円 |
| 水産庁 | — | その他 | 4.0億円 |
| 長崎県 | 4000020420000 | その他 | 1.7億円 |
| 熊本県 | 7000020430005 | その他 | 1.6億円 |
| 福岡県 | 6000020400009 | その他 | 1.4億円 |
| 長崎県 | 4000020420000 | 補助金等交付 | 1.2億円 |
| 佐賀県 | 1000020410004 | 補助金等交付 | 1.0億円 |
| 佐賀県 | 1000020410004 | その他 | 0.92億円 |
| 福岡県 | 6000020400009 | 補助金等交付 | 0.90億円 |
| 熊本県 | 7000020430005 | 補助金等交付 | 0.86億円 |
関係する会議
事業の担当課・室が事務局を務める会議体(つなぎ方)。
- 事業評価第三者委員会等 農林水産省
同じ施策の事業
政策:Ⅰ-1我が国の食料供給
施策:②食料自給力の確保
- 農業共済事業の実施 865億円
- 農業者年金事業 760億円
- 農山漁村地域整備交付金 628億円
- 収入保険制度の実施 526億円
- 麦買入費(輸入飼料) 149億円
- 農業委員会交付金 47.2億円
- 独立行政法人農業者年金基金運営費 42.6億円
- 農業用用排水施設の整備・保全(特会) 42.2億円
- 農地利用最適化交付金 40.5億円
- 農業経営基盤強化資金利子助成金等交付事業 37.0億円
根拠法令・関係する計画
- 有明海及び八代海等を再生するための特別措置に関する法律 第十八条
- 有明海・八代海等総合調査評価委員会報告(平成29年3月)
- 農林水産大臣談話(令和5年3月2日)
- 農林水産大臣談話(令和6年12月27日)
- 農林水産大臣談話(平成20年7月10日)
比較・検索できる画面で見る レビューシート原本(行政事業レビュー見える化サイト)
出典:行政事業レビュー見える化サイト 令和7年度版のレビューシート(事業番号 3261)を加工。