国際分担金等経費
環境省(自然環境局)の事業。令和7年度当初予算 3.9億円(前年度 5.1億円)、令和8年度概算要求 5.4億円。主な支出先は国際自然保護連合。
事業の目的
国際機関等を通じた国際貢献に必要な経費(分担金、拠出金)を通じて、自然環境保全に係る地球規模の諸問題の解決を図る。
事業の概要
①国際自然保護連合分担金:昭和53年の総会において国際自然保護連合(IUCN)への加入が承認され、以来、IUCNの会員として必要な分担金経費を支出するもの。
②国際湿地保全連合分担金:国際的に重要な湿地の調査及びその保護を推進する国際機関である国際湿地保全連合(WI)の会員として必要な分担金経費を支出するもの。
③国際自然保護連合拠出金:IUCNの枠組みを通じて、国際的な生物多様性の保全の推進等に積極的に参画している。特にアジアにおいて、IUCNが行う保護地域管理の促進、人材育成等の資金として、拠出するもの。
④カルタヘナ議定書事務局拠出金:カルタヘナ議定書締約国会議で決定された事務局経費について必要な分担金経費を拠出するもの。
⑤生物多様性条約拠出金:昆明・モントリオール生物多様性枠組実施支援のための能力構築事業等及び条約事務局との緊密な連携を図るための長期専門家派遣費。
⑥国連大学拠出金:自然資源の持続可能な利用と管理についての検討と実践を行うために、COP10を契機として設立された国際パートナーシップの運営、各国の特徴に適合した持続可能な自然資源の管理手法を具体的に提案、適用していくための地域ワークショップの実施等に必要な費用を国連大学に拠出するもの。
⑦南極条約拠出金:南極条約関連活動に対する義務的拠出金として外務省・文科省・環境省で3分の1ずつ負担し拠出。
⑧生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)拠出金:生物多様性に関する科学と政策のつながりを強化し科学を政策に反映させるため、生物多様性版IPCCと言われるIPBESの活動について拠出するもの。
⑨東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップ(EAAFP)拠出金:東アジア・オーストラリア地域の渡り鳥の保全に関わる様々な主体の国際的な連携・協力のための枠組みであるEAAFPに拠出するもの。
⑩昆明・モントリオール生物多様性枠組の実施のための特別信託基金拠出金:昆明・モントリオール生物多様性枠組の実施を支援するために、GEF下に設置される基金に拠出を行うもの。
⑪BBNJ協定で定められている必要な分担金及び年次拠出金を拠出するもの。
現状・課題
①地球の基本的な資産である植物相、動物相、土壌、水、その他の自然の富を保護し、世界における自然地域や生物資源への脅威に対処し、問題を解決する最良の方法を提出することがIUCNの活動分野であり、政府機関会員としてその活動に関与し、また国内外での生物多様性保全の取組において相互連携するなどの手段により、生物多様性の保全に貢献する。
②1970年以降、世界の天然の湿地の35%以上が消失し、その速度は更に加速していると言われている。国際湿地保全連合は、湿地及び湿地に生息・生育する動植物に関する調査、情報交換、保全活動を世界規模で実施し、次世代のために、湿地生態系の維持、回復を行うことを目的とした国際機関であり、会員は規約第9条第2項に基づき、分担金を支払うこととなっている。分担率は国連の分担率を基準とし、ドイツ中央統計局により毎年発行されるドイツの消費者物価指数を用いたインフレ補正を適用しカテゴリーに分類されており、我が国のカテゴリーは上から二つ目のカテゴリー9である。政府機関会員として、生物多様性の保全のためのプロジェクトを支援し、もって国際協力・貢献に資することとしている。
③保護地域の管理水準の向上や面積拡大は世界的な重要課題とされている。昆明・モントリオール生物多様性枠組で採択された保護地域に関する目標において、2030年までに、少なくとも陸域の30%、海域の30%を保護地域に指定することや保護地域以外で生物多様性保全に資する地域(OECM)の設定・管理することなどが掲げられている。アジアにおける目標達成に向けた対策強化が求められている。
④カルタヘナ議定書に対応した国内措置であるカルタヘナ法を2003年に制定したことを受け、カルタヘナ議定書及びカルタヘナ法に基づき、国際的に協調して、遺伝子組換え生物の使用による生物多様性への悪影響を防止していくことが求められている。
⑤自然と共生するためのランドスケープレベルでの空間利用計画(ランドスケープ・アプローチ)等の観点から昆明・モントリオール生物多様性枠組実施を支援し、関連する財政負担等の議論でも途上国の理解・協力を得る必要がある。
⑥OECMを通じた30by30の達成、気候変動対策や防災・減災を含むSDGsの実施及び地域循環共生圏のアイデアの海外展開にも貢献できるよう、「SATOYAMAイニシアティブ」の取組を更に発展させる必要がある。
⑦南極条約拠出金:2003年の南極条約協議国会議において、アルゼンチンのブエノスアイレスに南極条約事務局が置かれることが決定された。事務局の経費について、半分は固定費として全協議国が均等に負担し、残りの半分は、変動費として各締約国が傾斜配分している。日本は、原署名国で、かつ南極での活動を積極的に行っていることから、Aランク(一番高い額のランク)である。
⑧科学と政策のつながりを強化するべく設立された政府間プラットフォームIPBESにおいて、政策形成等に資する科学的・国際的評価作業に貢献し、また当該評価作業に我が国の知見や意見も反映・活用され易くなるようにする必要がある。また、IPBESにおける科学的・国際的評価作業の元となる、地球規模生物多様性情報を集積・共有し、その利用を促進する必要がある。
⑨近年、国境を越えて移動する渡り鳥の多くの種が絶滅の危機に瀕しており、これらの種の保全のためには渡りの経路上に位置する国々との国際協力を通じた保全の取組を一層推進することが急務である。東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップ(EAAFP)は、アジア・オーストラリア地域の渡り性水鳥及びその生息地の保全に係る国際協力を強化することを目的として、我が国及び豪州の主導により発足し、韓国・仁川に事務局を置く国際協力の枠組みである。我が国は、渡り鳥やその重要な生息地である湿地の保全を推は進のために事務局に適切に拠出金を拠出することで、EAAFPでの活動を通じて、国際的なリーダーシップを発揮していくことが求められている。
⑩生物多様性条約第15回締約国会議COP15(2022年12月)にて採択された昆明・モントリオール生物多様性枠組を実施、支援するために特別信託基金(GBF基金)を設立することが同COP15において決議された。2023年5月に開催されたG7サミットの首脳コミュニケにもGBF基金の立ち上げを支援する旨が盛り込まれており、G7議長国として、GBF基金に拠出し、昆明・モントリオール生物多様性枠組の実施に向けて、世界的な取組をリードしていく姿勢を鮮明にする。
⑪世界の海洋の66%が悪化しており、海洋哺乳動物の3分の1以上の種の絶滅が危惧されているとIPBES(生物多様性評価等を行う専門機関)で報告されており、海洋生物多様性保全等のための国際的なルール作りは不可欠。2023年6月、国連総会が設置する政府間会議においてBBNJ協定が採択されたが、制度の詳細は決まっていない。
予算の推移
| 令和3年度 | 令和4年度 | 令和5年度 | 令和6年度 | 令和7年度 | 令和8年度要求 |
|---|---|---|---|---|---|
| 4.4億円 | 4.3億円 | 5.0億円 | 5.1億円 | 3.9億円 | 5.4億円 |
当初予算。令和7年度は別に補正予算 -0.01億円。
支出先(国から直接、上位1者)
令和6年度の支出実績。支出先は全10者。このほか再委託・再交付の先が 11 件あります(金額は上の支出と重なるため合計しません)。
| 支出先 | 法人番号 | 契約方式 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 国際自然保護連合 | — | その他 | 0.02億円 |
関係する会議
事業の担当課・室が事務局を務める会議体(つなぎ方)。
- 自然環境部会 環境省 · 最終開催 2026.08.25
同じ施策の事業
政策:ー
施策:5 生物多様性の保全
- 世界自然遺産等保全対策費 8.3億円
- 国立公園等管理等事業 7.5億円
- 希少種保護対策費 7.1億円
- 鳥獣保護管理対策費 6.5億円
- 外来生物対策費 6.1億円
- 生物多様性保全等のためのモニタリング等事業費 5.3億円
- OECMを活用した健全な生態系の回復及び連結促進事業 3.0億円
- 指定管理鳥獣対策事業 2.0億円
- 鳥獣感染症対策費 1.6億円
- ネイチャーポジティブ(NP)の実現に向けた生物多様性保全等のための国際協力・ルール先導推進費 1.3億円
根拠法令・関係する計画
- 南極地域の環境の保護に関する法律 第一条
- 生物多様性基本法 第六条
- 21世紀環境立国戦略
- G8環境大臣会合シラクサ宣言
- カルタヘナ議定書COP-MOP6決議BS-Ⅵ/7
- 南極条約及び環境保護に関する南極条約議定書並びに第26回南極条約協議国会議決定
- 名古屋議定書
- 国連環境計画管理理事会決定Ⅺ/4
比較・検索できる画面で見る レビューシート原本(行政事業レビュー見える化サイト)
出典:行政事業レビュー見える化サイト 令和7年度版のレビューシート(事業番号 4869)を加工。