鳥獣保護管理対策費
環境省(野生生物課 鳥獣保護管理室)の事業。令和7年度当初予算 6.5億円(前年度 6.8億円)、令和8年度概算要求 9.3億円。主な支出先は株式会社野生動物保護管理事務所、一般財団法人自然環境研究センター。
事業の目的
本事業は、野生鳥獣との軋轢を緩和し、人と鳥獣との適切な関係を構築するため、鳥獣の保護・管理の状況の変化や社会的変化を踏まえ、鳥獣の保護・管理の担い手の確保・育成、鳥獣の保護・管理の強化に向けた調査・検討、国立公園等におけるニホンジカ対策、国指定鳥獣保護区の指定・管理、鳥類標識調査等を実施することで、科学的・計画的な鳥獣の保護・管理の強化に向けた対策を総合的に推進することを目的とする。
事業の概要
本事業は、鳥獣保護管理の強化に向けた対策を総合的に実施する事業である。
①鳥獣保護管理の担い手の確保・育成、認定鳥獣捕獲等事業者等の育成、水鳥救護研修センターの運営
②鳥獣保護管理の制度検討、特定鳥獣の調査検討、希少鳥獣の保護・管理、クマ出没対応、鳥類の鉛汚染対策
③国立公園等でのシカ管理体制の構築、新しい捕獲方法等によるシカ管理対策、専門家活用
④国指定鳥獣保護区の管理、新規指定・更新に必要な調査
⑤鳥類の生態や移動経路を把握するため鳥類標識調査の実施
このうち、①~③は平成24年度から実施。④は昭和46年度から実施。⑤は昭和47年度から実施。
現状・課題
近年、ニホンジカやイノシシ等の鳥獣による生態系や農林水産業、生活環境等への被害が深刻化しており、環境省と農林水産省では、平成25年12月に「抜本的な鳥獣捕獲強化対策」を取りまとめ、令和5年度までにニホンジカとイノシシの個体数を半減させることを目標として捕獲対策を強化してきた。その結果、イノシシの個体数は順調に減少している一方、ニホンジカの個体数は以前として高い水準にある。このため、令和5年度の目標達成は難しいことから、令和5年9月に環境省と農林水産省で、目標の達成時期を令和10年度まで延長することを公表した。なお、農作物被害額は、平成22年度に239億円にのぼり、その後減少傾向が見られたが近年は横ばい傾向であり、令和5年度は164億円と依然として高い水準となった。また、近年はシカによる農作物被害額が増加傾向にある。令和5年度の森林被害面積は、全国で約5千haとなっており、ニホンジカによる被害が6割を占める。ニホンジカによる生態系への影響も深刻な状況にある。クマ類等の大型獣類の市街地等への出没も地域社会の喫緊の問題となりつつある。令和5年度は、東北地方を中心にクマ類が市街地へ大量出没し、過去最多の人身被害件数を記録した。
都道府県では、ニホンジカ、イノシシ、ニホンザル、クマ類、ニホンカモシカ、カワウについて、47都道府県で計160の特定鳥獣保護管理計画が作成され、科学的・計画的な鳥獣の保護・管理に向けた取組が進められている。
鳥獣保護管理の担い手となる狩猟免許所持者は、昭和45年度の53万人をピークに減少したが、平成24年度以降増加傾向にある(令和2年度21.9万人)。他方、免許所持者の約6割を60代以上が占めており、引き続き若い免許所持者の確保・育成を進める必要がある。
予算の推移
| 令和3年度 | 令和4年度 | 令和5年度 | 令和6年度 | 令和7年度 | 令和8年度要求 |
|---|---|---|---|---|---|
| 7.1億円 | 6.6億円 | 6.8億円 | 6.8億円 | 6.5億円 | 9.3億円 |
当初予算。令和7年度は別に補正予算 5.1億円。
支出先(上位10者)
令和6年度の支出実績。全75者。
| 支出先 | 法人番号 | 契約方式 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 株式会社野生動物保護管理事務所 | 1012301006038 | 一般競争契約(総合評価) 1者 | 0.98億円 |
| 一般財団法人自然環境研究センター | 6010505001148 | 一般競争契約(最低価格) 1者 | 0.49億円 |
| 公益財団法人山階鳥類研究所 | 2040005016886 | 随意契約(その他) 1者 | 0.38億円 |
| 株式会社一成 | 8140001042490 | 随意契約(公募) 1者 | 0.30億円 |
| 特定非営利活動法人EnVision環境保全事務所 | 9430005004036 | 一般競争契約(総合評価) 1者 | 0.29億円 |
| 公益財団法人知床財団 | 5460305001741 | 一般競争契約(総合評価) 1者 | 0.29億円 |
| 株式会社テンドリル | 9060001030610 | 一般競争契約(総合評価) 1者 | 0.24億円 |
| 特定非営利活動法人北の海の動物センター | 4460305001676 | 一般競争契約(最低価格) 1者 | 0.14億円 |
| 株式会社野生鳥獣対策連携センター | 3140001093480 | 一般競争契約(最低価格) 2者 | 0.13億円 |
| 滋賀県 | 7000020250007 | その他 | 0.12億円 |
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根拠法令・関係する計画
- 自然公園法 第三十九条
- 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律 第七十八条の二
- 油等汚染事件への準備及び対応のための国家的な緊急時計画(令和3年5月)
- 生物多様性国家戦略2023-2030(令和5年3月閣議決定)
- 知床・阿寒・釧路・尾瀬・日光・南アルプス・富士箱根・阿蘇くじゅう・霧島錦江湾・屋久島生態系維持回復事業計画、国立公園における生態系維持回復事業取扱要領について
- 鳥獣の保護及び管理を図るための事業を実施するための基本的な指針(令和3年10月告示)
比較・検索できる画面で見る レビューシート原本(行政事業レビュー見える化サイト)
出典:行政事業レビュー見える化サイト 令和7年度版のレビューシート(事業番号 4896)を加工。