国立公園等管理等事業
環境省(自然環境局 国立公園課)の事業。令和7年度当初予算 7.5億円(前年度 11.2億円)、令和8年度概算要求 21.5億円。主な支出先はその他、株式会社プレック研究所。
事業の目的
①生物多様性条約COP15で採択された「昆明・モントリオール生物多様性枠組」において、2030年までに陸域海域の30%を保護区にして効果的な保全管理を行なう等の目標「30by30目標」が定められ、国内達成に向けた「30by30ロードマップ」では、保護地域の中核を担う国立・国定公園の新規指定・大規模拡張候補地の選定及び指定の推進、各公園の区域や規制に関する公園計画の点検強化、国立公園の海域公園地区の面積倍増等が、今後集中して行う取組として位置づけられており、これらの取組を進める。
②「30by30目標」には「効果的な保全管理」も定められており、国内達成に向けた「30by30ロードマップ」において、国立公園等内での、自然再生、希少種保全、外来種対策、鳥獣管理をはじめとした保護管理施策・体制の充実が位置づけられていることから、管理を適切に実施していく。
③「30by30目標」や「30by30ロードマップ」では、保護地域の拡張だけでなく、その管理の質を向上させることも定められており、日本の国立公園は、土地所有に関係なく広域に指定される「地域制自然公園」であることから、自然の景観や生物多様性の保全及びその適正な利用の推進にあたっては、環境省以外の主体との連携、協働を進める。
事業の概要
①抽出された候補地について、自然環境・社会状況等の詳細についての調査、区域や公園計画等の検討、関係者との調整等を行ない、新規指定や大規模拡張等の調整を順次進めるともに、公園計画の再検討や点検作業を強化し、必要に応じて周辺エリアの国立・国定公園への編入や地種区分の格上げを進める。また、海域については、特に景観・利用の観点からも重要で生物多様性の保全にも寄与する沿岸域において、自然環境調査等を行ないその結果を踏まえて、国立公園の海域公園地区の面積を倍増させることを目指す。
②国立公園等における外来種の捕獲・駆除、侵入防止及びモニタリングの強化、利用調整地区等の管理体制の強化、指定動植物の見直しのほか、自然や社会状況の実情を熟知した地元住民等民間を活用し、きめ細かくかつ総合的な取組等を行い、生物多様性や風致景観を保全する。また、登山道の管理技術や関連制度に精通した専門家を通年雇用し、官民連携の山岳環境保全対策の推進に向けた各種調整や助言等を行うことで、山岳環境の保全対策を更に加速させる。
③各国立公園において協働型管理運営体制の構築又は強化を進めるとともに、地域特有の課題を解決するための議論を進める。また、協働型管理運営体制のもと国立公園毎の長期的なビジョン、取組方針、役割分担と行動計画を定めるとともに、地域ごと許認可の取扱を定めた審査基準等の設定を行い、これらを取りまとめ国立公園管理運営計画の策定・改定を進め、地域ごとの実態に即したきめ細やかな保全及び利用サービスを提供する魅力ある国立公園を目指す。
現状・課題
①令和4年6月に「国立公園総点検事業フォローアップ結果」をとりまとめ、科学的データに基づき指定・拡張候補地を全国で14箇所抽出した。令和6年度には日高山脈襟裳十勝国立公園を35 か所目の国立公園として新たに指定し、阿蘇周辺の草原を中心に阿蘇くじゅう国立公園の大規模拡張を実施した。それに続く指定・拡張のためには、詳細な調査、区域等の検討、関係者との合意形成等が必要。
②現在、国立公園等では、人為による生態系の攪乱・劣化や、シカ等の野生鳥獣や侵略的な外来種の侵入等によって風致景観や生物多様性への影響が生じ、我が国を代表する美しい風景地としての魅力が劣化する危機的な状況にあり、適切な対応が必要。また、登山道や山小屋等の関係では、山の日議連等では執行者不在公園計画歩道への対応や山小屋を拠点とした山域管理体制の構築、利用者負担の取組や環境配慮型施設の導入等が主な課題として指摘されており、対応が必要である。
③管理の質の向上を実現するためには、国立公園において活動等を行なう環境省以外の国の機関や地方公共団体、民間団体、地域住民等様々な主体が、国立公園の長期的なビジョンを共有するため、「総合型協議会」の設立を始めとした協働型管理運営体制の構築・強化が必要。また、国立公園等の管理運営には地域毎に多様な課題があり、多様な主体が関わることから、適切な保全管理のためには、協働型管理運営体制のもと、地域毎に多様な主体が課題や管理の方向性等について共通認識を持って取組を進めることが必要。
予算の推移
| 令和3年度 | 令和4年度 | 令和5年度 | 令和6年度 | 令和7年度 | 令和8年度要求 |
|---|---|---|---|---|---|
| 0.63億円 | 0.63億円 | 11.2億円 | 11.2億円 | 7.5億円 | 21.5億円 |
当初予算。令和7年度は別に補正予算 2.9億円。
支出先(国から直接、上位10者)
令和6年度の支出実績。支出先は全30者。このほか再委託・再交付の先が 22 件あります(金額は上の支出と重なるため合計しません)。
| 支出先 | 法人番号 | 契約方式 | 金額 |
|---|---|---|---|
| その他 | — | その他 | 0.29億円 |
| 株式会社プレック研究所 | 5010001081785 | 一般競争契約(総合評価) 1者 | 0.13億円 |
| アジア航測株式会社 | 6011101000700 | 一般競争契約(総合評価) 2者 | 0.06億円 |
| 株式会社コームラ | 1210001012856 | 随意契約(少額) | 0.05億円 |
| 一般財団法人自然公園財団 | 5010005017959 | 随意契約(その他) | 0.03億円 |
| 株式会社スバルグラフィック | 7011201002752 | 一般競争契約(最低価格) 8者 | 0.02億円 |
| 株式会社ホンヤク社 | 3010401084786 | 随意契約(少額) | 0.01億円 |
| 株式会社天賞堂 | 9010001050794 | 随意契約(少額) | 0.00億円 |
| 有限会社能登交通 | 1220002015659 | 随意契約(少額) | 0.00億円 |
| 丸一タクシー株式会社 | 4220001015533 | 随意契約(少額) | 0.00億円 |
関係する会議
事業の担当課・室が事務局を務める会議体(つなぎ方)。
- 自然環境部会 環境省 · 最終開催 2026.08.25
同じ施策の事業
政策:ー
施策:5 生物多様性の保全
- 世界自然遺産等保全対策費 8.3億円
- 希少種保護対策費 7.1億円
- 鳥獣保護管理対策費 6.5億円
- 外来生物対策費 6.1億円
- 生物多様性保全等のためのモニタリング等事業費 5.3億円
- 国際分担金等経費 3.9億円
- OECMを活用した健全な生態系の回復及び連結促進事業 3.0億円
- 指定管理鳥獣対策事業 2.0億円
- 鳥獣感染症対策費 1.6億円
- ネイチャーポジティブ(NP)の実現に向けた生物多様性保全等のための国際協力・ルール先導推進費 1.3億円
根拠法令・関係する計画
- 自然公園法 第三条
- 自然環境保全法 第二条
- 生物多様性国家戦略2023-2030
比較・検索できる画面で見る レビューシート原本(行政事業レビュー見える化サイト)
出典:行政事業レビュー見える化サイト 令和7年度版のレビューシート(事業番号 4889)を加工。