効率的な調達に向けた関連支援に関する経費等
防衛省(調達管理部 調達企画課)の事業。令和7年度当初予算 1.3億円(前年度 1.2億円)、令和8年度概算要求 1.3億円。主な支出先はワシントンDC事務所、ロサンゼルス事務所。
事業の目的
①NATOカタログ制度の参加レベル引上げに関する経費:防衛省では、装備品等の品目識別に係る国際的な基準に適合した形で装備品等の補給・管理を効率的に行うとともに、我が国固有の装備品等の情報を諸外国に発信・共有することで、防衛装備・技術協力を推進できるよう、各国におけるTier2レベルへの引上げの支援実績を有する企業から技術的な支援を受けるとともに、システムの機能追加改修を行うことにより、NATOカタログ制度(※1)の参加レベル引上げ(Tier1(※2)からTier2(※3))に係る承認を経て、Tier2国として運用可能な体制を整備したところ。Tier2国としての新たな業務の一部を部外委託にて実施する。
※1(NATOカタログ制度):装備品等の補給・管理を効率的に行うため、NATO諸国等との間で装備品等の情報を共有する制度。
※2(Tier1):NATOカタログに登録された他国の装備品等の情報を閲覧できるが、自国の装備品等の情報を提供できない。
※3(Tier2):NATOカタログに登録された他国の装備品等の情報を閲覧でき、かつ、自国の装備品等の情報を登録・発信できる。
②業態調査に要する経費:防衛装備庁における調達事業においては、契約方式及び契約相手方の選定を公平かつ適切に行うため、随時、競争参加資格の有無や資産の状況及び信用度等の業態調査を行うこととなっている。本事業は、大企業・中小企業の別を問わず企業情報を多数保有している信用調査会社のクラウドサービスから、確実な企業情報を取得し、もって業態調査の資とするものである。
③我が国のFMSの現状改善に資する体制強化のための研究者の米国への出張
有償援助調達に伴う米国出張(各地):FMS調達については、未納入・未精算や価格の透明性などの様々な課題が存在しており、防衛装備庁から米国に要員を派遣し改善活動を実施するとともに、防衛装備庁職員を有力シンクタンクに所属させ、FMS調達に関する有識者等(FMS関係機関勤務者、国防産業関係者等をはじめとするFMS関係の専門家等)からFMS調達に関するマネジメント手法等をはじめ各種課題について、情報を収集するとともに、FMS調達の改善につながる研究を実施させる。
④オイルマーケットレポートの購読:日本国内の海上で取引されている石油製品の市場や需要動向、取引状況の情報を収集し、予定価格積算の基準となる価格を判断するための指標とする。
⑤一般輸入品の価格調査(L.A.):一般輸入品の積算業務にあたっては、海外製造企業の品代を基に、輸送にかかる諸経費及び契約相手方(商社)の手数料等を積算し、輸入品の調達価格を算定している。調達価格の算定は、海外製造企業の生産事情や国際経済の変動等が価格に大きく作用するため、現地において、市場等の価格を調査する必要性から、昭和41年度から長期出張者を米国に派遣している。
⑥民生品の市場価格調査:防衛装備品の取得に関し、民生品の市場での取引価格等について、部外の調査機関に委託し調査を実施し、予定価格を算定する際の判断材料のひとつとする。
事業の概要
①Tier2国として運用可能な体制整備の観点から、以下の業務の一部を部外委託し、業務の効率化を図る。
・業務内容:他国が調達した日本製品に対する、他国からの類別依頼に基づく類別業務を実施している(年間処理件数平均約2,500件)。
②防衛装備庁における調達事業に活用するという観点から、防衛装備庁が所在する関東甲信越地域における、入札参加資格(全省庁統一資格)を有する企業の情報を、一元的にデータ化したものをリアルタイムに閲覧できる部外のクラウドサービスを利用するものである。
③-1防衛装備庁より米国に派遣したFMS連絡官が米国政府等に対して各種調整業務を実施する。
③-2防衛装備庁職員を有力シンクタンクに所属させ、FMS調達の改善につながる研究活動等を実施させる。
④防衛装備品の取得に関し、石油製品の市場や需要動向の情報を得るための購読料である。
⑤毎年約300件の一般輸入品の契約案件の中から、高額契約、新規契約を中心に、その他必要な案件(価格上昇率の高い案件、瑕疵、納期遅延等)のある海外製造企業を選定し訪問し、一般輸入品の見積資料の真正性を現地で直接確認することで、価格の妥当性を確保するために必要な事務所運営にかかる経費である。
⑥防衛装備品の取得に関し、民生品の市場価格調査を行うために、部外の調査機関へ調査依頼をするための経費である。
現状・課題
①NATOカタログ制度の参加レベル引上げに関する経費:NATOカタログ制度の参加レベル引上げ後より、Tier2国として運用可能な体制を整備し、Tier2国として新たな業務の一部を部外委託し事業を継続しており、部外委託の範囲等について検討し、業務の効率化を目指している。
②業態調査に要する経費:防衛予算の増額に伴い装備品等及び役務の調達額が大幅に増加しており、調達関係業務も急激に増加している。調達関係業務に従事する職員には限りがあり、調達関係業務に加えて業態調査を行うことは困難であることから、業態調査に関しては外部に委託する必要がある。
③我が国のFMSの現状改善に資する体制強化のための研究者の米国への出張
有償援助調達に伴う米国出張(各地):近年の高性能・高額なFMS装備品の導入に伴い、FMS調達額が高水準で推移しているが、防衛装備品の国内生産は拡大しているものの、防衛産業から一部企業が撤退するなどの状況が断続的に現われ日本国内の防衛産業基盤が危ぶまれている。このため、FMS装備品に係る国内企業参画や、国内産業基盤強化の検討が急務であるところ、研究を早期に実施する必要がある。
④オイルマーケットレポートの購読:本事業によるオイルマーケットレポートは、毎日の油種別業者間取引の情報を集約したものであり、経済新聞等の情報に比べ、石油製品の市場情報をより的確に早く把握することができる。石油製品の予定価格積算は、市場価格を基準としており、予定価格を算定する際の判断材料のひとつとして使用されている。
⑤一般輸入品の価格調査(L.A.):平成19年度に発生した㈱山田洋行等による過大請求事案を契機として、一般輸入品調達に係る価格妥当性の検証等に関する調査機能の強化が謳われ、年間の企業調査件数は減少しているが、依然として見積改ざんによる水増し事案について対策を講じることが必要となる。
⑥民生品の市場価格調査:本事業による調査結果を基に作成した価格調査報告書は、予定価格を算定する際の判断材料のひとつとして使用されるほか、調達要求元においても、この調査結果を仕様に反映させたり、予算要求の際の資料として利用可能である。
予算の推移
| 令和3年度 | 令和4年度 | 令和5年度 | 令和6年度 | 令和7年度 | 令和8年度要求 |
|---|---|---|---|---|---|
| 0.32億円 | 0.32億円 | 1.6億円 | 1.2億円 | 1.3億円 | 1.3億円 |
当初予算。
支出先(国から直接、上位9者)
令和6年度の支出実績。支出先は全9者。
| 支出先 | 法人番号 | 契約方式 | 金額 |
|---|---|---|---|
| ワシントンDC事務所 | — | 運営費交付金交付 | 0.56億円 |
| ロサンゼルス事務所 | — | 運営費交付金交付 | 0.17億円 |
| 株式会社帝国データバンク | 7010401018377 | 随意契約(公募) 1者 | 0.11億円 |
| 大誠エンジニアリング株式会社 | 4011101029568 | 一般競争契約(最低価格) 3者 | 0.10億円 |
| 米国(戦略国際問題研究所) | — | その他 | 0.06億円 |
| サンフランシスコ事務所 | — | 運営費交付金交付 | 0.06億円 |
| デイトン事務所 | — | 運営費交付金交付 | 0.04億円 |
| しゃちほこ合同会社 | 7180003016705 | 一般競争契約(最低価格) 5者 | 0.01億円 |
| リム情報開発株式会社 | 4010001032145 | 随意契約(その他) | 0.01億円 |
同じ施策の事業
政策:Ⅳー7 いわば防衛力そのものとしての防衛生産・技術基盤
施策:(1) 防衛生産基盤の強化
- 防衛セキュリティゲートウェイの整備 102億円
- 装備品安定製造等確保事業 80.1億円
- 防衛生産・技術基盤の維持強化に要する経費 17.4億円
- 将来装備品の取得手段の調査 4.7億円
- 防衛特有の従来技術の維持向上に係る研究 1.4億円
- FMS調達の合理化等に向けた取組 1.3億円
- 情報システム統合化のための技術支援(SETA契約) 0.91億円
- 防衛装備庁の研修にかかる経費 0.29億円
- 監督及び検査業務支援労働者派遣 0円
- 情報システム整備・運用に係る技術支援役務 0円
根拠法令・関係する計画
比較・検索できる画面で見る レビューシート原本(行政事業レビュー見える化サイト)
出典:行政事業レビュー見える化サイト 令和7年度版のレビューシート(事業番号 5355)を加工。