カーボンリサイクル実現を加速するバイオ由来製品生産技術の開発事業
経済産業省(商務情報政策局商務・サービスG 生物化学産業課)の事業。令和7年度当初予算 27.0億円(前年度 26.4億円)、令和8年度概算要求 23.6億円。主な支出先は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構。
事業の目的
バイオプラスチックやバイオ燃料のような大規模生産から、機能性物質のような少量多品種生産が想定されるものまで、多様なバイオ生産物に必要となる試作・検討が可能なバイオファウンドリ生産基盤技術を確立する。本事業を通じてバイオ生産の効率化と低コスト化を進め、バイオ由来製品の普及拡大によるカーボンリサイクルの実現の加速を目的とする。
事業の概要
バイオ生産の効率化と低コスト化によるバイオ由来製品の普及拡大のため、以下の取組を行う。
(1)バイオ資源活用促進基盤技術開発
未利用の生物・酵素等を探索する基盤技術を開発し、バイオで生産できる物質の拡大や物質生産効率の向上に資する生物資源を拡充する。(委託)
(2)生産プロセスのバイオファウンドリ基盤技術開発
企業等が有するシーズのスケールアップ実証やニーズとシーズのマッチングを行うために必要な、データ駆動型の生産基盤技術実証とバイオ物質生産拠点を整備する。(委託)
(3)産業用物質生産システム実証
製品生産に最適化した微生物等を作成し、効率的な物質生産の実証を実施する。(委託・補助)
現状・課題
● パリ協定等の策定を受けて、低炭素・脱炭素化といった社会的課題解決と持続的経済成長の両立が求められている。日本でも、首相が2020年10月に2050年カーボンニュートラルを宣言し、同年12月には経済と環境の好循環を作っていく産業政策としてグリーン成長戦略を策定した。
● バイオテクノロジーの利用により、大気中の二酸化炭素を吸収して成長した植物由来の原料(粗糖等)を用いてバイオプラスチックを製造することや、大気中の二酸化炭素を吸収する微生物を用いて直接的に化成品を製造することができる。このように、大気中の二酸化炭素を資源として有効活用することができるため、カーボンニュートラル社会の実現に貢献することができる。
● このため、2021年6月に改訂したグリーン成長戦略では、ゲノム編集等のバイオテクノロジーにより機能を高めた微生物等を用いて、バイオマス資源を原料として、バイオプラスチックや機能性素材等の化学品を生産するバイオものづくりについて、カーボンリサイクル技術の一つとして、今後10 年間の集中的な取組により低コスト化を進め、2035 年までに商業ベースで生産可能な化学品の種類・機能を拡大する技術として位置づけることをより明確化した。
● 世界のバイオ市場は、複数の機関(OECD等)により、今後10~20年のうちに200~400兆円程度に拡大すると見込まれており、産業政策上も重要な産業分野である。農業・食品、健康・医療に加え、エネルギー・環境、先進的な高機能素材など、あらゆる産業分野がバイオと融合していく情勢の中、バイオものづくりは経済と環境の好循環を生み出すことができる有望分野の一つであると言える。
● 米国や中国では、安全保障上の重要性や成長産業を支援するといった観点でバイオものづくりを重要分野として兆円単位の戦略的投資が進んでいる。また、英国では2023年12月に合成生物学に関する英国政府の投資や政策等をまとめた戦略を公表し、10月にはバイオを含む新技術分野の政策の加速化を図る政府組織が新設された。EUにおいても2024年3月にバイオものづくりの方向性を示す戦略がアップデートされた。
● このように、バイオものづくりの研究開発・産業化に向けた国際的な競争は激化しているが、我が国における研究開発の質・量は必ずしも高くなく、産業化のプレーヤーも十分には育っていないのが現状。
● また、新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画(令和6年6月21日 閣議決定)では、微生物設計プラットフォーム事業者を起点とした大規模な技術開発・実証を進めること、経済財政運営と改革の基本方針2024(令和6年6月21日 閣議決定)では、バイオものづくりの技術開発・拠点整備を進めることを位置づけている。
● バイオ由来製品の普及には、バイオものづくりを効率的に行うために必要な生物情報資源の拡充、物質生産を行うための有用微生物の高機能化のための開発、微生物開発段階から生産段階に移行する際の障壁(開発段階とは全く異なる専門性、多額の資金等)の克服など、未だ多くの課題があり、これらの課題を解消するための生産技術開発が急務である。
● こうした状況を踏まえ、本事業では、カーボンリサイクルの実現の加速に向け、バイオプラスチックやバイオ燃料のような大規模生産から機能性物質のような少量多品種生産が想定されるものまで、多様なバイオ生産物に必要となる試作・検討が可能なバイオファウンドリ生産基盤技術を確立する。(事業の概要(1)、(2)に対応) バイオ生産の効率化と低コスト化を進め、バイオ由来製品の普及拡大に向けたエコサイクルを構築する。また、本事業を通じて構築したバイオファウンドリ生産実証拠点は、共用拠点として解放し、企業等が有するシーズのスケールアップ実証やニーズとシーズのマッチング拠点として活用する(事業の概要(3)に対応)。
予算の推移
| 令和3年度 | 令和4年度 | 令和5年度 | 令和6年度 | 令和7年度 | 令和8年度要求 |
|---|---|---|---|---|---|
| 23.0億円 | 29.6億円 | 26.4億円 | 26.4億円 | 27.0億円 | 23.6億円 |
当初予算。うち特別会計 27.0億円(エネルギー対策)。
支出先(国から直接、上位1者)
令和6年度の支出実績。支出先は全54者。このほか再委託・再交付の先が 65 件あります(金額は上の支出と重なるため合計しません)。
| 支出先 | 法人番号 | 契約方式 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 | 2020005008480 | 運営費交付金交付 | 30.0億円 |
関係する会議
事業の担当課・室が事務局を務める会議体(つなぎ方)。
- 産業構造審議会 商務流通情報分科会 バイオ小委員会 バイオものづくり革命推進ワーキンググループ 経済産業省 · 最終開催 2026.09.04 · 次回 2026.09.30
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根拠法令・関係する計画
- 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法 第十五条
- 特別会計に関する法律 第八十五条
- グリーン成長戦略(令和3年6月18日 閣議決定)
- バイオエコノミー戦略(令和6年6月3日統合イノベーション戦略推進会議決定)
- 統合イノベーション戦略2024 (令和6年6月4日閣議決定)
比較・検索できる画面で見る レビューシート原本(行政事業レビュー見える化サイト)
出典:行政事業レビュー見える化サイト 令和7年度版のレビューシート(事業番号 3756)を加工。