工業所有権調査等委託費/(知的財産保護包括協力推進事業)
特許庁(総務部 国際政策課)の事業。令和7年度当初予算 0.47億円(前年度 1.0億円)、令和8年度概算要求 0.50億円。主な支出先は一般財団法人知的財産研究教育財団、一般財団法人知的財産研究教育財団。
事業の目的
日本企業の多くが進出する中国において、中国政府との間に新たな知的財産権保護に関する協力枠組みを構築し、日中両国の産業財産権に関する専門家が共同で中長期的な知的財産に関わる共同研究等を実施することにより、中国知的財産法制度・運用(審査・エンフォースメント等)の適正化を目指す。更に、我が国企業の活動が活発な中国及び海外各国において、研究者による共同研究を通じて日本の制度への理解を深めるとともに、研究者のネットワークを活用して産業財産権制度に関する制度調和の推進を図ることを目的とする。
事業の概要
中国政府及び関係機関との協力により、知財管轄官庁が多岐にわたる中国政府に対して包括的に機関横断的な働きかけを行うため、知財法改正を支援する機関において産業財産権制度・運用における課題の抽出を行い、改善提案等を検討して中国政府関係機関への提言を行うとともに、知的財産法令・運用(審査・エンフォースメント等)の適正化に資する共同研究、セミナー開催、中国の政府知財担当官や知財法有識者の日本への招聘等を実施する。また、我が国の研究者を外国の研究機関に派遣、または国外の研究者を国内の研究機関に招へいし、日本を含む複数国間において産業財産権制度に関する制度調和が中期的に必要な課題について共同研究により調査を実施する。
日中共同研究事業については、これまでに、知的財産制度やその運用面に関する日本側の要望の一部は、本事業の委員を通じて中国当局へ届けることができた。その一方で、国際的調和や上述のようなユーザー要望など改善の余地は、令和5年度終了以降も残されている。特に、現在、中国商標法は第5次改正が進められており、商標法改正に関連する条例整備時期を考慮し、この法改正の期間中に、中国政府を巻きこみ、意見交換、提案、認識共有、日本の制度の理解を促す場として有意義な本事業を継続する必要がある。
産業財産権研究者ネットワーク形成推進事業は、我が国の研究者を外国の研究機関に派遣、または国外の研究者を国内の研究機関に招へいし、日本を含む複数国間において産業財産権制度に関する制度調和が中期的に必要な課題について共同研究により調査を実施するものである。これまでに、累計で16名の派遣研究者、20名の招へい研究者がそれぞれ共同研究を行うことに加え、研究期間中に複数の有識者との意見交換を行う等、制度調和に関する課題についての認識が多くの研究者の間で共有され始めており、本事業により一定の効果を得ることができた。
現状・課題
我が国と深い経済的相互依存関係を有する中国は、世界の工場に加えて世界の市場 として世界経済における存在感を 増しており、今後も様々な分野において日系企業 による一層の事業展開が見込まれる。日系企業の事業展開の前提として、中国における特許・商標・意匠等の産業財産権の迅速な権利化及び適切な保護が必要不可欠である。中国における特許等の出願件数は年々増加し、 知財関連の訴訟件数も急増していることから、中国における知財保護の重要性は非常に高い。
中国の産業財産権制度は近年急速に整備 が進んでいるものの、日本を含む他国との制度及び運用上の差異は依然として大きい。初歩審査のみにより付与される実用新案権や意匠権に基づく権利濫用や冒認商標問題、模倣品摘発などの権利執行に関する問題等、日系企業の中国における産業財産権の適切な保護に向けた課題の解決が急務である 。
そのため、こうした中国の法制度及び運用の改善を促し、我が国産業界の利益を適切に保護するべく、 現地の知財関連機関と協力体制を整備し、産業財産権制度に関する共同研究を通じて改善提案を とりまとめ 、その結果を共同研究調査報告書として編集し、その活用を一層促進していく必要がある。
また、我が国企業が海外各国において活動する際、産業財産権制度の違いにより円滑な企業活動が阻害される懸念があるため、産業財産権制度の制度調和を促すことが求められている。産業財産権制度を調和させるためには、日本を含む複数国間において産業財産権制度に関する制度調和を進める上で抱える課題に対し、効果的なアプローチを実施する必要がある。そのためには、政府間でなされている議論に加え、日本を含む複数国間において実務者・研究者等の有識者同士により議論を深めることが重要である。
予算の推移
| 令和3年度 | 令和4年度 | 令和5年度 | 令和6年度 | 令和7年度 | 令和8年度要求 |
|---|---|---|---|---|---|
| 0.81億円 | 0.80億円 | 0.87億円 | 1.0億円 | 0.47億円 | 0.50億円 |
当初予算。うち特別会計 0.47億円(特許)。
支出先(国から直接、上位2者)
令和6年度の支出実績。支出先は全1者。
| 支出先 | 法人番号 | 契約方式 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 一般財団法人知的財産研究教育財団 | 1010005016691 | 随意契約(公募) 1者 | 0.42億円 |
| 一般財団法人知的財産研究教育財団 | 1010005016691 | 一般競争契約(総合評価) 1者 | 0.39億円 |
同じ施策の事業
政策:経済産業省 いずれの政策・施策にも関連しないもの
施策:なし
- 独立行政法人工業所有権情報・研修館運営費交付金 120億円
- 工業所有権調査等委託費/(各国における知的財産権制度基盤整備事業) 12.4億円
- 施設整備費 11.0億円
- 世界知的所有権機関拠出金 9.9億円
- 工業所有権研究等委託費(知的財産行政情報の収集促進支援調査事業) 7.8億円
- 賠償償還及払戻金 7.7億円
- 中小企業等海外展開支援事業 7.6億円
- 外国工業所有権制度支援事業委託費(産業財産権人材育成協力事業) 4.3億円
- 工業所有権研究等委託費/(スタートアップ知財支援基盤整備事業) 3.7億円
- 知財経営⽀援モデル地域創出事業 2.7億円
根拠法令・関係する計画
- 知財推進計画2020(令和2年5月27日知的財産戦略本部決定)
比較・検索できる画面で見る レビューシート原本(行政事業レビュー見える化サイト)
出典:行政事業レビュー見える化サイト 令和7年度版のレビューシート(事業番号 3906)を加工。