トランジション・ファイナンス推進事業
経済産業省(イノベーション・環境局GXグループ 環境金融室)の事業。令和7年度当初予算 1.4億円(前年度 1.5億円)、令和8年度概算要求 1.2億円。主な支出先は株式会社野村総合研究所、株式会社三菱総合研究所。
事業の目的
我が国のGX実現において必要とされている150兆円超の官民投資を実現するためには、グリーン・ファイナンスの拡大に加え、多排出産業によるトランジションの取り組みに対する投資家・金融機関の理解を醸成し、トランジションの取り組みについても資金供給を拡大させ様々な形で資金を総動員させていくことが必要不可欠。こうした中、本事業ではトランジション・ファイナンスの推進に向けた市場環境の整備を目的とする。
【EBPMアクションプランの政策目標】○2050年カーボンニュートラルに向けたGXへの投資(GX実現に向けた基本方針、GX推進戦略):2030年度の温室効果ガス46%削減及び2050年カーボンニュートラルの国際公約の達成我が国のエネルギー需給構造の転換、さらには産業構造・社会構造の変革を通じ、日本経済の産業競争力強化・経済成長につなげていく。
事業の概要
・トランジション段階のGHG排出削減に資する企業活動に対してトランジション・ボンド等による資金調達を促進するため、トランジション・ファイナンスによる資金調達に際し要する事業会社へのヒアリング・助言・評価等のコスト負担の補助を行う。(補助率3/10、中堅・中小企業、海外でのプロジェクト関する資金調達等海外案件に関する事業、その他新規性が認められ、かつトランジション・ファイナンスの市場拡大に資する案件に対しては補助率6/10)
・トランジション・ファイナンスの更なる推進に向け、既存ツール(基本指針、分野別技術ロードマップ等)の改定を通じた環境整備や、国際的な移行計画を含む開示の動向調査、アジアをはじめとした国内外でのトランジションを推進するためのファイナンス支援の在り方の検討を通じた市場形成を行う。
【EBPMアクションプラン関連事業】:2050年カーボンニュートラルに向けたGXへの投資(GX実現に向けた基本方針、GXへの投資(GX実現に向けた基本方針、GX推進戦略)
現状・課題
脱炭素の実現には、極めて巨額の資金が必要となり、資本市場が果たす役割は非常に大きく、とりわけ脱炭素化に向けて技術的・経済的に代替手段が限られる排出削減困難(hard-to-abate)セクターによる移行の取組に対して、官民連携による資金供給の拡大を行うことが不可欠である。こうした中、2025年2月に閣議決定されたGX2040ビジョンにおいて、トランジション・ファイナンスに関する基本指針や、その対象となり得る8分野の技術ロードマップの策定、ファイナンスド・エミッションの考え方の整理等により、市場環境整備を進める必要性が示され、トランジション・ファイナンスの累計国内調達額は、令和6年末で約2.4兆円規模(CT債除く)に成長している。
一方、これまでの各種施策の推進により国内でのトランジション・ファイナンスによる資金調達事例は積みあがってきているものの、国際的にはトランジションに対する座礁資産化の懸念は残っており、トランジション・ファイナンスのモデル事例を国が創出・発信していくことで、市場全体の信頼性を高めていく必要がある。また、気候変動に関する国際的な議論は進展が早いことから、引き続き国際動向を踏まえた各種施策のアップデート等、適宜適切な対応を行うことが必要である。
また、今後高い経済成長とエネルギー需要の増加が見込まれるアジアにおいては、エネルギー需給・産業構造の観点から日本の経験や技術が貢献できる可能性が高く、アジアの脱炭素化×成長につながり得るGX政策のアジア展開の機運が高まっている。アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)の枠組みを活用した取組が加速するもファイナンス面の土壌整備は発展途上である地域において、アジアの脱炭素化への貢献とトランジション・ファイナンスの国際的な信頼性向上を目指す。既存のG to Gでの機運醸成の取組に加え、アジアにおけるトランジション・ファイナンス拡大に向けた市場調査・実案件の組成支援等を通じてアジア諸国のGX実現に貢献するとともに、脱炭素技術やサービスが評価される市場の構築に向け、ルール形成を通じた国内外のトランジション・ファイナンス市場の拡大に取り組む。
予算の推移
| 令和3年度 | 令和4年度 | 令和5年度 | 令和6年度 | 令和7年度 | 令和8年度要求 |
|---|---|---|---|---|---|
| 3.0億円 | 3.0億円 | 2.6億円 | 1.5億円 | 1.4億円 | 1.2億円 |
当初予算。うち特別会計 1.4億円(エネルギー対策)。
支出先(国から直接、上位3者)
令和6年度の支出実績。支出先は全7者。このほか再委託・再交付の先が 5 件あります(金額は上の支出と重なるため合計しません)。
| 支出先 | 法人番号 | 契約方式 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 株式会社野村総合研究所 | 4010001054032 | 一般競争契約(総合評価) 2者 | 0.66億円 |
| 株式会社三菱総合研究所 | 6010001030403 | 一般競争契約(総合評価) 2者 | 0.38億円 |
| 一般社団法人低炭素投資促進機構 | 9010005015587 | 補助金等交付 | 0.16億円 |
同じ施策の事業
政策:6資源エネルギーの安定的かつ効率的な供給の確保並びに脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進
施策:ー
- ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業(AI基盤モデル及び先端半導体関連技術開発事業) 1,617億円
- 石油備蓄事業(うち国家備蓄石油増強対策事業(石油分)) 1,163億円
- 次世代半導体の量産等に向けた出資事業 1,000億円
- 電源等の立地地域への支援事業(うち電源立地地域対策交付金) 777億円
- 省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金 760億円
- 脱炭素成長型経済構造移行推進機構出資金 700億円
- GXサプライチェーン構築支援事業 610億円
- 石油天然ガス田の探鉱・資産買収等事業に対する出資金 563億円
- 原子力損害賠償・廃炉等支援機構交付金 470億円
- 石油備蓄事業(うち緊急時放出に備えた国家備蓄石油及び国家備蓄施設の管理委託費(石油分)) 468億円
根拠法令・関係する計画
- 特別会計に関する法律 第八十五条
- 特別会計に関する法律施行令 第五十条
- EBPMアクションプラン2024(令和6年12月26日)
- EBPMアクションプラン 進捗管理・点検・評価表2025(令和7年5月26日)
- GX2040ビジョン 脱炭素成長型経済構造移行推進戦略 改訂(令和7年2月18日閣議決定)
- GX実現に向けた基本方針(令和5年2月10日閣議決定)
- ・パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略(令和3年10月26日閣議決定)
- 脱炭素成長型経済構造移行推進戦略(令和5年7月28日閣議決定)
比較・検索できる画面で見る レビューシート原本(行政事業レビュー見える化サイト)
出典:行政事業レビュー見える化サイト 令和7年度版のレビューシート(事業番号 3970)を加工。