再生可能エネルギーの大量導入に向けた次世代型の電力制御技術開発事業
経済産業省(省エネルギー・新エネルギー部 新エネルギーシステム課)の事業。令和7年度当初予算 72.0億円(前年度 72.3億円)、令和8年度概算要求 60.0億円。主な支出先は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、一般財団法人電力中央研究所。
事業の目的
●第6次エネルギー基本計画で⽰された2030年再生可能エネルギー(再エネ)再エネ⽐率36〜38%程度の達成に向けて、さらには2050年カーボンニュートラルに向けて、S+3Eのバランスを取りながら再エネの導⼊促進を加速する必要がある。
●再エネの大量導入を進めることで、電力網(系統)の空き容量がなくなり、また、系統が不安定となる可能性があり、これらに適切に対処するための対策が不可欠である。
●これまで、ノンファーム型接続の導入や、マスタープランの策定等、系統課題に対応するための制度整備・技術開発を進め、再エネの早期導入を進めてきた。
●本事業においては、さらに再生可能エネルギー(再エネ)の導入を進めつつ、第7次エネルギー基本計画で示された、局地的な大規模需要の立地を見据えた電力供給の対応や、分散型エネルギーリソース(DER)の系統混雑やディマンドリスポンス(DR)への活用も含め、電力システム全体の最適化を図る上で必要な技術開発を行う。
事業の概要
再⽣可能エネルギーの更なる導⼊拡⼤を図り、電力システム全体の最適化を図りながら主⼒電源化を進めていくため、本事業では電力システムの効率的な整備・利用に資する以下の取組を行う。
(1)市場主導型制御システムの技術検討: 市場主導型の混雑管理手法への移行を念頭に、市場主導型の出力制御システムの技術的な検討を行う。
(2)分散型エネルギーリソース等を活用したフレキシビリティ技術開発(送電): 送電網での混雑解消等のためにDERを柔軟に指令・制御する技術(フレキシビリティ技術)の開発及び実証を行う。
(3)分散型エネルギーリソースを活用したフレキシビリティ技術開発(配電): 配電網での混雑解消のためにDERを柔軟に指令・制御する技術(フレキシビリティ技術)の開発及び実証を行う。また、系統制約に加え需給制約を考慮して、DERを確実かつ経済的に確保するため、DERの市場集約・最適化を行う機能(DER集約機能)の基礎的な検討も行う。
(4)再エネの系統影響緩和のための技術開発: 再エネ電源自体の調整機能向上(出力変化速度の向上や最低出力の引き下げ等)のための技術開発を実施する。
(5)多用途多端子直流送電システムの基盤技術開発: 長距離海底直流送電の整備に必要な直流送電システムの基盤技術及び海底直流ケーブルの敷設に関する技術開発を行う。
(6)保守・運用も見据えた長距離海底送電ケーブルの施工・管理に係る統合的基盤技術検討: ケーブル損傷リスクに対する原因・損傷箇所の早期特定、早期故障点修理、監視状況のアラートを通じた損傷リスク自体の抑止等に向けたフィージビリティスタディを実施する。
(7)次世代系統安定化技術に向けた研究開発: 電力の安定供給を維持するための装置の開発や、インバータそのものに安定化機能を持たせるための技術を開発する。
現状・課題
再⽣可能エネルギーの更なる導⼊拡⼤を図り、主⼒電源化を進めていくためには以下のような課題がある。
●昨今、太陽光・風力等⾮同期電源の割合が増え、同期電源の退出が進み系統の安定性が保てなくなることが懸念されている。
●従来の電力網は大型発電所と送電線によって主に構成されてきたが、昨今は、太陽光や蓄電池等DERが偏在しているため一元的な需給調整が難しくなっている。また、太陽光等再生可能エネルギーの偏在に伴い、一部地域では系統混雑が起きており、再エネ接続の律速となっている。
●配電系統への再エネの接続が進みつつある中、ローカル系統以下の配電系統では一般送配電事業者が制御可能な蓄電池等DERが少なく、混雑時に出力制御した分を補うために別の電源の出力を上げる指令を行う再給電指令やノンファーム型接続の適用が難しく、配電系統の系統混雑緩和策が乏しい。
●さらに、再エネの接続量が増加する中で、自然条件によって変動し、適地に偏りのある再エネをシステムに統合するためのコスト(統合コスト)を抑制することが今後の課題となる。
予算の推移
| 令和3年度 | 令和4年度 | 令和5年度 | 令和6年度 | 令和7年度 | 令和8年度要求 |
|---|---|---|---|---|---|
| 41.9億円 | 55.0億円 | 63.0億円 | 72.3億円 | 72.0億円 | 60.0億円 |
当初予算。うち特別会計 72.0億円(エネルギー対策)。
支出先(上位10者)
令和6年度の支出実績。全32者。
| 支出先 | 法人番号 | 契約方式 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 | 2020005008480 | 運営費交付金交付 | 64.3億円 |
| 一般財団法人電力中央研究所 | 4010005018545 | 随意契約(企画競争) 8者 | 25.1億円 |
| 東京電力ホールディングス株式会社 | 1010001008825 | 随意契約(企画競争) 10者 | 6.6億円 |
| 日本郵船株式会社 | 7010001023785 | 随意契約(企画競争) 5者 | 3.8億円 |
| 東京電力パワーグリッド株式会社 | 3010001166927 | 随意契約(企画競争) 10者 | 3.8億円 |
| 古河電気工業株式会社 | 5010001008796 | 随意契約(企画競争) 5者 | 2.1億円 |
| 住友電気工業株式会社 | 5120001077450 | 随意契約(企画競争) 5者 | 1.5億円 |
| 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | 7010005005425 | 随意契約(企画競争) 14者 | 1.3億円 |
| 株式会社商船三井 | 4010401082896 | 随意契約(企画競争) 5者 | 1.3億円 |
| 東京電力エナジーパートナー株式会社 | 8010001166930 | 随意契約(企画競争) 10者 | 1.1億円 |
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根拠法令・関係する計画
- 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法 第十五条
- 特別会計に関する法律 第八十五条
- 特別会計に関する法律施行令 第五十条
- GX実現に向けた基本方針(R5年2月10日閣議決定)
- 「エネルギー基本計画」(令和3年10月22日閣議決定)
- 「革新的環境イノベーション戦略(令和2年1月21日統合イノベーション戦略推進会議決定)」
比較・検索できる画面で見る レビューシート原本(行政事業レビュー見える化サイト)
出典:行政事業レビュー見える化サイト 令和7年度版のレビューシート(事業番号 3795)を加工。