原子力産業基盤強化事業
経済産業省(電力・ガス事業部 原子力政策課)の事業。令和7年度当初予算 0円(前年度 58.2億円)、令和8年度概算要求 0円。主な支出先は特定非営利活動法人地球と未来の環境基金、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構。
事業の目的
本事業では、原子力利用の安全性・信頼性を支えている原子力産業全体の強化のため、①世界トップクラスの優れた技術を有するサプライヤの支援、②技術開発・再稼働・廃炉などの現場を担う人材の育成等に取り組むこととしている。
これらの取組を通じ、原子力利用先進国として我が国が有する人材・技術・産業基盤を維持・強化し、不断の安全性追求と技術力向上に取り組む原子力産業の構築を図ることを目的とする。
また、世界的に原子力発電の需要が拡大し、中長期的にウラン需要は増加すると見込まれている。そのような状況の中、ウラン市場は国有企業や資源メジャーによる寡占化が進んでいる。そのため、我が国企業においてもウラン資源開発を促進し、ウランの安定供給を確保を行うことを目的とする。
事業の概要
我が国の原子力利用の安全性・信頼性を支えている原子力産業基盤の維持・強化を図るため、以下の取組を行う。
(1)世界トップクラスの技術力や経験を有している国内サプライヤによる原子力関連機器・サービスの安全性や信頼性向上に資する技術開発、事業撤退を余儀なくされる事業の継承、製造プロセスにおけるデジタル化の促進等を支援。加えて、持続可能な原子力産業基盤の実現に向けた課題に複数の事業者が連携して取り組むこと等を促進。
(2)国内で海外革新炉市場への参画を目指すサプライヤに対し、①研究開発や性能検証、②海外規格への対応、③革新炉への対応に必要な既存設備の改修等を支援。
(3)現場技術者の技術開発力強化・運転保守業務の技能向上・事故への対応能力強化のための講義や実習等により、原子力産業の現場を支える人材を育成。
さらに、リスクの高い海外ウラン探鉱事業(特に初期の調査・探鉱段階)について、我が国企業によるウラン資源開発を促進する。
現状・課題
日本国内では、震災前に原子力発電所における国産化率は90%を超え、サプライチェーンに高レベルの技術が集積。しかし、震災後は中核サプライヤ等の撤退が相次ぐ等、サプライチェーン劣化の懸念。製造現場の空白期間が続いており、革新炉の研究開発に注力するためにも、技術・人材の維持は喫緊の課題。国内のサプライチェーンの現状をきめ細かく見極め、サプライヤによるデジタル技術の活用や供給途絶の危機にある高い技術・サービスの継承をサポートしていくことが必要。
海外市場に目を向けると、国内と国外で求められる規制・規格の違いや新興国における事業環境の未整備や中国・韓国等の競合など、海外市場獲得に向けた課題が多数存在しており、海外市場への参画は原子力サプライヤにとって困難。他方でサプライチェーンの維持・強化に向け、中枢部品・部材等のメーカーも、革新炉をはじめとする海外プロジェクトに効果的に参画する必要がある。
また、ウラン鉱山は国有企業や資源メジャーによる寡占化が進んでおり、ウラン需給の逼迫が顕在化すると、我が国へのウラン供給が確保できない恐れがある。そのため、長期的な観点から、我が国企業によるウラン資源開発を促進し、上流資源の確保を目指す必要がある。
予算の推移
| 令和3年度 | 令和4年度 | 令和5年度 | 令和6年度 | 令和7年度 | 令和8年度要求 |
|---|---|---|---|---|---|
| 12.5億円 | 13.0億円 | 13.4億円 | 58.2億円 | 0円 | — |
当初予算。
支出先(国から直接、上位10者)
令和6年度の支出実績。支出先は全50者。このほか再委託・再交付の先が 43 件あります(金額は上の支出と重なるため合計しません)。
| 支出先 | 法人番号 | 契約方式 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 特定非営利活動法人地球と未来の環境基金 | 8010005007767 | 補助金等交付 | 30.5億円 |
| 独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構 | 4010405009573 | 補助金等交付 | 4.1億円 |
| 株式会社三菱総合研究所 | 6010001030403 | 随意契約(企画競争) 1者 | 3.0億円 |
| 日本エヌ・ユー・エス株式会社 | 8011101057185 | 一般競争契約(総合評価) 1者 | 2.2億円 |
| 三菱重工業株式会社 | 8010401050387 | 随意契約(企画競争) 6者 | 0.87億円 |
| 東芝エネルギーシステムズ株式会社 | 7020001121200 | 随意契約(企画競争) 6者 | 0.71億円 |
| 日立GEニュークリア・エナジー株式会社 | 4050001024551 | 随意契約(企画競争) 6者 | 0.71億円 |
| 株式会社神戸製鋼所 | 6140001005714 | 随意契約(企画競争) 6者 | 0.47億円 |
| 株式会社IHI | 4010601031604 | 随意契約(企画競争) 6者 | 0.39億円 |
| 国立大学法人東北大学未来科学技術共同研究センター | 7370005002147 | 随意契約(企画競争) 6者 | 0.15億円 |
同じ施策の事業
政策:6資源エネルギーの安定的かつ効率的な供給の確保並びに脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進
施策:ー
- ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業(AI基盤モデル及び先端半導体関連技術開発事業) 1,617億円
- 石油備蓄事業(うち国家備蓄石油増強対策事業(石油分)) 1,163億円
- 次世代半導体の量産等に向けた出資事業 1,000億円
- 電源等の立地地域への支援事業(うち電源立地地域対策交付金) 777億円
- 省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金 760億円
- 脱炭素成長型経済構造移行推進機構出資金 700億円
- GXサプライチェーン構築支援事業 610億円
- 石油天然ガス田の探鉱・資産買収等事業に対する出資金 563億円
- 原子力損害賠償・廃炉等支援機構交付金 470億円
- 石油備蓄事業(うち緊急時放出に備えた国家備蓄石油及び国家備蓄施設の管理委託費(石油分)) 468億円
根拠法令・関係する計画
- 特別会計に関する法律 第八十五条
- 特別会計に関する法律施行令 第五十一条
- GX脱炭素電源法(令和5年5月成立)
- エネルギー基本計画(令和3年10月閣議決定)
- 原子力の自主的安全性向上の取組の改善に向けた提言(平成27年5月)
- 脱炭素成長型経済構造移行推進戦略(令和5年7月閣議決定)
- 軽水炉安全技術・人材ロードマップ(平成27年6月策定、平成29年3月改訂)
比較・検索できる画面で見る レビューシート原本(行政事業レビュー見える化サイト)
出典:行政事業レビュー見える化サイト 令和7年度版のレビューシート(事業番号 3847)を加工。