我が国における大規模言語モデル(LLM)の開発力強化に向けたデータの整備・拡充(令和7年度補正では、信頼できるAIの開発・活用支援に資するデータ整備及び能動的評価基盤構築に関する研究開発)
総務省(技術政策課 研究推進室)の事業。令和7年度当初予算 0円、令和8年度概算要求 15.0億円。主な支出先は国立研究開発法人情報通信研究機構、一般社団法人WebDINO Japan。
事業の目的
民間企業等における効率的な大規模言語モデル(LLM)開発に必要となる学習用言語データを提供するとともに、ディープフェイクに代表される偽・誤情報の拡散等の生成AIに起因するリスクに対応するための技術の開発・実証を行うことにより、我が国のLLM開発力の醸成及び技術によるリスク対応力の獲得を目指す。また、多言語にも対応したLLM開発に貢献するとともに、当該LLM等を活用した日本企業の海外進出にも貢献することを目指す。加えて、日本の政府機関・企業が信頼して活用できる生成AIの開発を支援する。
事業の概要
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)において、民間企業等におけるLLM開発に必要となる大量・高品質な日本語を中心とする学習用言語データを整備・拡充し、我が国のLLM開発者等に提供する。
また、ディープフェイクに代表される偽・誤情報等、生成AIに起因する様々なリスクに対応するための技術の開発・実証を実施し、成果を関係事業者等に展開する。具体的には、我が国における生成AIやディープフェイクにおける研究技術を有する国内研究機関や事業者と連携し、ディープフェイク対策に資する技術体系の整理と実証事業を実施することを通じて、社会実装を推進する等の取組を実施する。さらに、グローバルサウスをはじめとする諸外国と連携し、多言語のLLMデータ基盤の構築及び複数の言語に対応した高性能な多言語LLMの開発・実証を実施する。
なお、事業の一部は「インターネット上の偽・誤情報等への総合的対策の推進」へと移管した。
加えて、創造性・信頼性・多様性を有し進化する生成AIを柔軟かつ動的に評価する能動的評価基盤の構築を行うとともに、信頼できるAIの利用が見込まれる公共分野での実証を通じて技術課題の特定・対応を推進する。
現状・課題
2022年11月のChatGPTの登場以降、世界中でLLMの開発競争が激化している。LLMはその汎用性・応用性の高さから、今後、社会の基盤インフラの一つとなることが想定されているが、現在は海外サービスが市場を席巻している状況であり、デジタル赤字、経済安保上の懸念、日本語・文化・情緒への対応上の課題が存在する。こうした中、我が国の多くの民間企業が独自のLLMを開発し海外企業に対抗しようとしているが、各社がそれぞれに言語データを整備することは極めて非効率であるとともに、進化する生成AIの評価については、従来の固定的な評価ではない、柔軟で動的、AIの進化に先回りが可能な対応が必要となり、各社ごとの対応が困難である。また、生成AIの有用性の反面として、悪意のある者による生成AIを利用した偽・誤情報の拡散等のリスクも存在する。特に、生成AIにより、誰でも一見もっともらしいコンテンツを作成することが容易となり、ディープフェイクの流通が懸念される中、検証対象コンテンツがディープフェイクかどうかを受信者が複合的な技術により検証しやすくすることが重要である。ディープフェイクに関しては、画像、動画等のコンテンツの要素ごとに対策技術が開発されつつあるが、各コンテンツ要素ごとの対策技術や、これらの技術の横断的組み合わせによる対策技術の社会実装には至っていない状況である。加えて、現状広く使われているLLMは学習言語に偏り(英語中心)があり、その他の言語には十分に対応できていないという課題がある。
予算の推移
| 令和3年度 | 令和4年度 | 令和5年度 | 令和6年度 | 令和7年度 | 令和8年度要求 |
|---|---|---|---|---|---|
| — | — | 0円 | 0円 | 0円 | 15.0億円 |
当初予算。令和7年度は別に補正予算 383億円。
支出先(国から直接、上位10者)
令和6年度の支出実績。支出先は全39者。このほか再委託・再交付の先が 24 件あります(金額は上の支出と重なるため合計しません)。
| 支出先 | 法人番号 | 契約方式 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 国立研究開発法人情報通信研究機構 | 7012405000492 | 運営費交付金交付 | 119億円 |
| 一般社団法人WebDINO Japan | 8010005007692 | その他 | 1.2億円 |
| NECソリューションイノベータ株式会社 | 7010601022674 | その他 | 0.16億円 |
| 株式会社アクタスソフトウェア | 4013201011975 | その他 | 0.12億円 |
| 東京大学大学院情報理工学系研究科山崎研究室 | — | その他 | 0.11億円 |
| 株式会社ツクロア | 9011101066243 | その他 | 0.10億円 |
| 有限会社テクニカルアーツ | 8010002049944 | その他 | 0.08億円 |
| OpenAI,LLC | 4700150127989 | その他 | 0.04億円 |
| Google LLC | 3700150072195 | その他 | 0.04億円 |
| Turnt Up Technologies株式会社 | 4120001253762 | その他 | 0.04億円 |
関係する会議
事業の担当課・室が事務局を務める会議体(つなぎ方)。
- 国立研究開発法人審議会 総務省 · 最終開催 2026.08.03
- デジタルインフラ(DC等)整備に関する有識者会合 総務省 · 最終開催 2024.10.04
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- スタートアップ創出型萌芽的研究開発支援事業 3.0億円
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根拠法令・関係する計画
- 総務省設置法 第四条
- 「デジタル社会の実現に向けた重点計画」(令和6年6月21日閣議決定)
- 「デフレ完全脱却のための総合経済対策~日本経済の新たなステージにむけて~」(令和5年11月2日閣議決定)
- 「強い経済」を実現する総合経済対策~日本と日本人の底力で不安を希望に変える~(令和7年11月21日閣議決定)
- 「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2024改訂版」(令和6年6月21日閣議決定)
- 「経済財政運営と改革の基本方針2024」(令和6年6月21日閣議決定)
- 「統合イノベーション戦略2024」(令和6年6月4日閣議決定)
比較・検索できる画面で見る レビューシート原本(行政事業レビュー見える化サイト)
出典:行政事業レビュー見える化サイト 令和7年度版のレビューシート(事業番号 7755)を加工。