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府省をまたぐ関連事業 40令和7年度当初 286億円令和8年度要求 350億円

サイバーセキュリティ

2025年5月に成立したサイバー対処能力強化法・同整備法が2026年10月1日に本格施行され、基幹インフラ事業者の届出・インシデント報告、官民の新協議会、警察・自衛隊によるアクセス・無害化措置が動き出す。通信情報の利用と通信の秘密の両立、AIで高速化する攻撃と脆弱性発見への対応、自治体・中小企業・家庭用IoTといった「国が要となる」範囲をどこまで広げるかが並行して問われている。

選んだ理由:防衛省・警察庁・経産省・総務省を中心に11府省。能動的サイバー防御の法整備と並行して要求が増えている。

中心の会議体・場

上の会議体は、テーマの中心として手で選んだもの。事業と会議体の自動の紐付け(事務局の課室の一致)は、テーマの事業40件のうち14件。

ブリーフ

対象期間 2026-07-01〜2026-09-29。「読み筋」は資料からの要約・解釈です。

2026.09.18 北朝鮮系「WaterPlum」と北朝鮮IT労働者について日米豪独で公開アトリビューション

警察庁・内閣官房

読み筋関東管区警察局サイバー特別捜査部の捜査・分析を土台に、攻撃者を名指しして「コストを賦課する」という予算重点化方針の考え方を実行した形と読める。10月の本格施行を前に、国際連携での抑止を示す狙いもありそうだ。

原文:広報資料(警察庁・NCO) / 注意喚起文書

2026.09.14 戦略本部 第7回(持ち回り):10月1日施行に向け関係規則を改廃、旧サイバーセキュリティ協議会の規定は削除へ

内閣官房

読み筋新しい制度の中身ではなく、法の施行に合わせて規則の条番号などを整える手続きが中心。施行日前に規則の整理を終え、10月からは協議会の立ち上げと届出・報告の運用へ移る段取りと読める。

原文:第7回 報道資料 / 資料1-1 関係規則等の改廃(概要) / 推進専門家会議 第8回 議事概要 / 安全基準等策定ガイドライン 意見募集結果

2026.08.31 令和9年度概算要求:能動的サイバー防御の体制整備に大口要求、中核部分は事項要求

防衛省・警察庁・総務省・内閣府

読み筋警察庁・総務省の要求額は令和8年度の数倍で、7月31日の予算重点化方針が掲げた「国が要となる」防御・抑止に沿った要求が並んだ。ただし司令塔の体制や拠点庁舎などの中核は金額未定の事項要求で、年末の政府案で実際の規模が決まる。

原文:防衛省 令和9年度概算要求の概要 / 警察庁 令和9年度予算概算要求の概要 / 総務省 令和9年度概算要求 参考資料 / 内閣府 令和9年度予算概算要求の概要 / 政府のサイバーセキュリティに関する令和8年度予算

2026.07.31 戦略本部 第6回:重要インフラ統一基準、脅威ハンティング基本方針、令和9年度予算重点化方針を決定

内閣官房

読み筋5月のProject YATA-Shield(AIによる攻撃の高速化への対策パッケージ)を受け、AIへの対応が法の施行準備と並ぶ柱になった。金融相は「アクセス制限のないAIモデルを含め」早期に使うよう発言しており、政府内でもAI活用を急ぐ論調が強い。

原文:第6回 報道資料 / 第6回 議事概要 / 令和9年度予算重点化方針 / 資料6-1 Project YATA-Shield 取組状況

2026.07.21 総務省検討会 中間論点整理と家庭用IoT(レジデンシャルプロキシ)対策の提言案、官民アライアンス設立

総務省・警察庁

読み筋第4回では「利用者保護全般にかけると通信の内容への干渉にもつながりかねない」との意見も出ており、通信事業者の役割を広げる方向と通信の秘密の線引きが年内の取りまとめの焦点になりそうだ。提言の確定版の公表は確認できていない。

原文:中間論点整理 / 提言(案) / 第4回 議事要旨 / 官民対策・アライアンス設立(報道資料)

次に来ること

流れ

日付できごと種類
2024.06.07サイバー安全保障分野での対応能力の向上に向けた有識者会議が初会合 内閣官房会議
2024.11.29有識者会議が能動的サイバー防御の法制度整備に向けた提言を取りまとめ 内閣官房報告書
2025.02.07サイバー対処能力強化法案・同整備法案を閣議決定し国会に提出 内閣官房法律
2025.05.16サイバー対処能力強化法・同整備法が衆院での修正を経て成立(5月23日公布) 国会法律
2025.07内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)を改組し国家サイバー統括室(NCO)を設置 内閣官房出来事
2025.10.08アサヒグループHDがシステム障害はランサムウェア攻撃によるものと公表、国内工場の製造が停止・段階再開 民間出来事
2025.12.23新たなサイバーセキュリティ戦略を閣議決定 内閣計画・決定
2025.12.23強化法に基づく「重要電子計算機に対する特定不正行為による被害の防止のための基本的な方針」を閣議決定 内閣府計画・決定
2026.03.23強化法の施行期日を2026年10月1日とする政令と施行令を公布(施行令は令和8年政令第47号) 内閣府法律
2026.04.01強化法のサイバー通信情報監理委員会に関する規定(第10章第1節)が施行 内閣府法律
2026.05.18AI高度化を踏まえた対策パッケージ「Project YATA-Shield」を取りまとめ、政府機関・重要インフラ・ソフトウェアベンダに注意喚起 内閣官房計画・決定
2026.07.21総務省検討会が中間論点整理とレジデンシャルプロキシ対策の提言案を公表、官民アライアンスを設立 総務省・警察庁報告書
2026.07.31戦略本部が重要インフラ統一基準・脅威ハンティング基本方針・令和9年度予算重点化方針を決定 内閣官房計画・決定
2026.08.31令和9年度概算要求:防衛省がアクセス・無害化関連に308億円+事項要求、警察庁がサイバー対処に254.5億円+事項要求 防衛省・警察庁ほか予算
2026.09.14戦略本部第7回(持ち回り)が10月施行に伴う関係規則の改廃を決定 内閣官房会議
2026.09.18北朝鮮系攻撃グループ「WaterPlum」について日米豪独で公開アトリビューション 警察庁・内閣官房出来事
2026.10.01【予定】サイバー対処能力強化法・同整備法の本格施行 内閣府法律 · 予定

論点

論点立場A(出典)立場B(出典)いま
通信情報の利用と通信の秘密政府:目的達成に必要な最小限度で権限を行使し、独立機関(サイバー通信情報監理委員会)が事前審査・継続的検査を行う(強化法・基本方針)日本弁護士連合会:官民連携は評価するが、通信情報の利用とアクセス・無害化は慎重な審議が必要(参議院調査室資料が紹介)国会修正で「通信の秘密の尊重」規定(第2条の2)が加わった。監理委員会の規定は2026年4月に施行、通信情報の取得・利用の規定は2027年11月までに施行予定。
アクセス・無害化措置と国際法有識者会議提言:国際法上の「対抗措置」や「緊急状態」で違法性が阻却されうる(参議院調査室資料が紹介)参議院調査室資料:国際法の解釈に不透明さが残り、外務大臣との協議による国際法チェックと国際世論をリードする努力が欠かせない2026年10月1日に運用開始予定。首相が準備加速を指示し、防衛省は能力整備に308億円+事項要求。
電気通信事業者の役割総務省検討会の構成員意見:利用者保護も事業者の役割の一環と捉え、フロー情報由来の脅威情報を「適正かつトラストある形」で共有できる制度を整えるべき(中間論点整理)同じく構成員意見:利用者保護全般に広げると通信の内容への干渉につながりかねず、通信事業の一部か別物かの位置づけ整理が必要(第4回議事要旨)中間論点整理の段階。検討会は2026年内に取りまとめる予定。
家庭用IoT機器の責任分担従来の設計:事業者と利用者の責任分界点の向こう側は利用者が自分で管理する(中間論点整理が現状として記述)中間論点整理・提言案:利用者任せには限界があり、被害申告を起点にISP等が端末利用者に注意喚起する仕組みなど多層的な対策が必要提言案の意見募集は8月4日に締切、確定版は未確認。予算重点化方針は官民一体の対策を2027年度から始めるとした。
AIによる脆弱性発見への対応政府機関等:政府統一基準群を改定し、特定のAIモデルに依存せず複数のAIツールで重要システムの脆弱性チェックを開始(Project YATA-Shield)重要インフラ・ソフトウェアベンダ:注意喚起・要請とAI関係企業とのマッチング支援が中心。金融庁はITシステムの能動的停止も選択肢に入れるよう要請(本部第6回議事概要)内閣府は商用AIによる脆弱性点検に2.81億円、防衛省はフロンティアAI等による攻撃の早期探知を事項要求。分野ごとの取組の差が残る。
自治体の対策の担い手総務大臣書簡(8月4日):首長自らが強いリーダーシップを発揮して取組を進めるよう要請予算重点化方針・総務省の令和9年度要求:相談窓口の創設、重大インシデント時の専門家チーム派遣の制度化、ゼロトラストの共同実装など国による集団的対応総務省は自治体向けに55.4億円(令和8年度0.8億円)を要求。年末の政府案待ち。

立場は各会議体の資料・議事要旨、概算要求資料、参議院常任委員会調査室「能動的サイバー防御の導入」(2025年4月)から要約。個人の意見は会議録に記載された範囲で、発言者名は伏せられているものがある。

人

中心の会議体の構成員(公開名簿より)。

サイバーセキュリティ推進専門家会議

名簿の時点 2026年9月7日(第8回議事概要の参加委員。全17人のうち15人を掲載)

巧妙化・複雑化するサイバー攻撃への対策の在り方に関する検討会(総務省)

名簿の時点 2026年7月(中間論点整理掲載の構成員一覧)

お金

このテーマに束ねた40事業。令和7年度当初 286億円 → 令和8年度要求 350億円。

事業府省当初要求
サイバー防護分析装置の整備防衛省62.9億円102億円
産業サイバーセキュリティ対策の強化に向けた環境整備事業経済産業省54.1億円60.4億円
サイバーセキュリティ関係情報システム等経費内閣官房29.0億円34.2億円
サイバー事案対策の推進警察庁22.9億円28.5億円
サイバー事案取締りの推進警察庁21.7億円23.2億円
政府端末情報を活用したサイバーセキュリティ情報の収集・分析に係る実証事業総務省13.0億円—
医療情報セキュリティ等対策経費厚生労働省12.0億円4.0億円
ナショナルサイバートレーニングセンターの強化総務省12.0億円—
量子・古典ハイブリッド技術のサイバー・フィジカル開発事業経済産業省10.0億円10.0億円
サイバーセキュリティ統合知的・人材育成基盤の構築/(令和5年度第一次補正においては実践的サイバーセキュリティ人材育成の拡充)総務省9.0億円—
AIP:人工知能/ビッグデータ/IoT/サイバーセキュリティ統合プロジェクト(次世代人工知能技術等研究開発拠点形成事業費補助金)文部科学省8.6億円9.8億円
部外力を活用したサイバーセキュリティの知見向上に関する経費防衛省7.9億円17.8億円
サイバー空間における脅威への対処に係る人材育成警察庁7.0億円7.6億円
サイバーセキュリティ戦略本部等経費内閣官房5.2億円1.4億円
諸外国とのサイバー分野における連携強化防衛省3.0億円3.3億円
サイバーセキュリティ政策に関する調査研究総務省2.5億円2.5億円
サイバーセキュリティ対策等事業費デジタル庁1.3億円1.4億円
サイバー攻撃対処能力向上に関する経費防衛省1.2億円0.93億円
金融分野のサイバーセキュリティ対策向上事業金融庁0.99億円1.4億円
大学等に対するサイバーセキュリティ人材育成研修等の実施文部科学省0.78億円0.97億円
自治体情報セキュリティ強化対策事業総務省0.74億円0.95億円
国土交通省所管事業者等への情報セキュリティ対策経費国土交通省0.22億円0.22億円
政府全体のサイバーセキュリティ能力向上に関する経費防衛省0.16億円0.14億円
サイバーセキュリティ能力構築信託基金拠出金外務省0.15億円0.15億円
サイバーセキュリティ経済基盤構築事業経済産業省0円—
産業サイバーセキュリティ強靭化事業経済産業省0円—
サプライチェーン・中小企業サイバーセキュリティ対策促進事業経済産業省0円—
産業サイバーセキュリティ対策の強化に向けた環境整備事業経済産業省0円—
装備システム用サイバー防護技術の研究防衛省0円—
サイバーセキュリティ能力構築信託基金拠出金外務省0円—
港湾におけるサイバーセキュリティ対策の強化国土交通省0円1.3億円
生成AI等を活用したサイバーセキュリティ対策強化総務省0円—
国土交通分野におけるサイバーセキュリティ対策の強化国土交通省0円—
地方公共団体サイバーセキュリティ対策事業総務省0円—
我が国のサイバー対処能力強化に向けた人材育成の推進総務省0円17.5億円
我が国のサイバー対処能力確保のためのエコシステムの形成総務省0円20.7億円
装備システム用サイバー侵入対処技術の研究防衛省0円—
自治体情報セキュリティ向上プラットフォームの改修総務省0円—
我が国のサイバー対処能力確保のための研究開発拠点の整備総務省0円—
産業サイバーセキュリティ対策の強化に向けた環境整備事業経済産業省0円—

注目点

  1. 10月1日の本格施行後、新協議会の構成と、特定重要電子計算機の届出・インシデント報告の運用が実際にどう回るか(既存設備の届出は6か月の経過措置)。
  2. 警察・自衛隊のアクセス・無害化措置が最初に使われる場面と、サイバー通信情報監理委員会の承認・検査の透明性。
  3. 総務省検討会の年内取りまとめで、電気通信事業者の対策の法的な位置づけと脅威情報共有の規律がどこまで具体化するか。
  4. 年末の令和9年度政府予算案で、内閣府・警察庁・防衛省の事項要求(体制整備、拠点庁舎、AI関連の情報収集)にいくら付くか。
  5. 重要インフラ統一基準と安全基準等策定ガイドラインを受けた各分野の安全基準の見直しと、戦略本部による分野ごとの評価の出し方。

出典

この解説は、AI が公開資料と報道を読んで出典つきでまとめ、別の AI が抜き取りで事実確認したものです。数字や日付は出典で確かめてから使ってください。誤りは [email protected] へ。

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