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トップテーマ次の感染症危機への備え

生活に直結関連事業 56令和7年度当初 199億円令和8年度要求 275億円

次の感染症危機への備え

新型コロナの経験を受け、政府は2024年に新型インフルエンザ等対策政府行動計画を全面改定し、2025年には国立健康危機管理研究機構(JIHS)を発足させた。2026年3月にはワクチンに加え治療薬・診断薬まで国内で開発・製造・確保する「MCM戦略」を閣議決定し、令和9年度概算要求では厚労省の感染症対策が当初予算の約6倍に膨らんだ。平時に採算の合わない医薬品や病床・工場を、誰がどのような仕組みで維持し続けるかが問われている。

選んだ理由:次の感染症危機への備え。厚労省が中心で、文科省のワクチン研究や内閣感染症危機管理統括庁も。会議の開催が最も多いテーマの一つ。

中心の会議体・場

上の会議体は、テーマの中心として手で選んだもの。事業と会議体の自動の紐付け(事務局の課室の一致)は、テーマの事業56件のうち23件。

ブリーフ

対象期間 2026-07-01〜2026-09-29。「読み筋」は資料からの要約・解釈です。

2026.09.02 予防接種・ワクチン分科会 第67回:今年度のコロナ定期接種を決定、予防接種法改正の成立を報告

厚生労働省

読み筋法改正で「予防接種=ワクチン」という枠が外れ、抗体製剤の定期接種化の議論が本格化しそうだ。欠席した市長委員からは、国が関与しないワクチン価格を問題にする意見書も出ていた。

原文:資料1-1 新型コロナワクチンの接種について / 資料3 予防接種法改正法の成立 / 第67回 議事録

2026.08 令和9年度概算要求:感染症対策は551億円→3,302億円、MCM対策は78億円→2,129億円

厚生労働省・内閣感染症危機管理統括庁

読み筋MCM戦略の「プル型支援」が初めて大型の予算要求になった。大半が投資枠での要求で、年末の政府案でどこまで残るかが最初の試金石になる。

原文:感染症対策部 概算要求の概要 / 厚労省 概算要求の主要事項 / 統括庁 予算要求の概要

2026.07.16 新型インフルエンザ等対策推進会議 第23回:政府行動計画の2回目のフォローアップ

内閣感染症危機管理統括庁

読み筋数値目標は達成済みで、焦点は「数」から「本当に機能するか」の検証に移ったと読める。政府行動計画は6年ごとの見直しを見据えて毎年フォローアップするとしている。

原文:資料1-1 フォローアップのポイント / 第23回 議事録 / 統括庁トピックス

2026.07.08 感染症部会 第106回:感染症指定医療機関の指定基準の見直しに着手

厚生労働省

読み筋全国一律で高度医療を求めず「集約と広域連携」に切り替える方向と読める。県外への移送(空路など)の仕組みも並行して整理するとしており、運用の詰めが次の課題になりそうだ。

原文:資料1 指定基準のあり方 / 資料2 入国時ゲノムサーベイランス / 議事次第・委員名簿

次に来ること

流れ

日付できごと種類
2024.04.01感染症予防の基本指針を改正(直近の改正) 厚生労働省計画・決定
2024.07.02新型インフルエンザ等対策政府行動計画を初めて全面改定 閣議決定計画・決定
2025.04国立感染症研究所と国立国際医療研究センターが統合し、国立健康危機管理研究機構(JIHS)が発足 厚生労働省出来事
2025.04.07急性呼吸器感染症(ARI)サーベイランスを開始 厚生労働省出来事
2026.03.11感染症部会 第102回:抗インフルエンザウイルス薬の備蓄方針、AMRアクションプランの進捗 厚生労働省会議
2026.03.24「感染症危機対応医薬品等(ワクチン、治療薬、診断薬等)開発・生産体制強化戦略」(MCM戦略)を決定。2021年のワクチン戦略を全面改定 閣議決定計画・決定
2026.04.27推進会議 第22回:MCM戦略の策定と治療薬等の研究開発を報告 内閣感染症危機管理統括庁会議
2026.05.02クルーズ船ホンディウス号の重症呼吸器疾患の集団発生を公表(ハンタウイルスの一種アンデスウイルスを確認、日本人1名が乗船) 海外出来事
2026.05.12感染症部会 第104回(持ち回り):プレパンデミックワクチンの今後の備蓄の種類を了承 厚生労働省会議
2026.05.17コンゴ民主共和国・ウガンダのエボラ出血熱を「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」と公表 WHO出来事
2026.06.09予防接種法の一部を改正する法律案を提出(抗体製剤も予防接種に使えるようにする) 国会法律
2026.06.10感染症部会 第105回:感染症予防の基本指針の中間見直し(3年見直し)を議論 厚生労働省会議
2026.07.08感染症部会 第106回:感染症指定医療機関の指定基準の見直し案 厚生労働省会議
2026.07.16推進会議 第23回:政府行動計画の令和7年度フォローアップ 内閣感染症危機管理統括庁会議
2026.08令和9年度概算要求:感染症対策3,302億円(前年度当初551億円)、うちMCM対策2,129億円 厚生労働省予算
2026.09.02改正予防接種法(令和8年法律第76号)の成立を予防接種・ワクチン分科会に報告 厚生労働省法律
2026.09.02予防接種・ワクチン分科会 第67回:令和8年度の新型コロナ定期接種の期間と使用ワクチンを了承 厚生労働省会議
2026.09.24小野田感染症危機管理担当大臣が就任 内閣出来事

論点

論点立場A立場Bいま
平時に売れないMCMをどう確保するか研究開発費の直接支援(プッシュ型)だけでは足りず、承認後の買上げ・備蓄などプル型支援を導入してMCMエコシステムを作る(MCM戦略)個別の支援だけでなく、企業の新規参入を促し、アカデミアのシーズを非臨床・治験薬製造・薬事まで一体で支える政府支援が要る(推進会議 河岡委員)TPP連動の収入保障・備蓄買上げ206億円を新規要求。9/30の感染症部会で支援・法制度の検討事項が示される。
コロナ期に作ったワクチン工場を平時にどう維持するか持続可能な生産体制のために「必要な法制度等の在り方」を検討する(MCM戦略)感染症対策は平時には費用対効果が見えにくく、無駄な支出と受け取られがち(内閣府 健康・医療戦略推進事務局の説明資料)国内大規模生産体制・国内製造体制への支援を計960億円で要求(概算要求の表と本文で2事業の内訳が食い違う)。査定と法制度の検討はこれから。
一類感染症の重症患者をどこで診るか全ての第一種指定医療機関で重症・小児・妊婦まで診る体制は現実的でなく、高度医療は一部に集約して広域連携(感染症部会 事務局案)集約先への移送、特に空路が必要な場合の連携体制を並行して整理する必要(同じ事務局案の注記)。マニュアルや訓練のない自治体もある(厚労省調査)第一種の基準見直し案を7/8に提示。第二種は次回以降。
数値目標の達成で備えは十分か病床・発熱外来・検査能力の協定は目標を上回った(統括庁フォローアップ)協定医療機関が実際に動けるか訓練で検証すべき(大曲委員)。現場との乖離をチェックすべき(冨髙委員)。人材育成は目標値自体がない(安村委員)毎年度のフォローアップを続け、6年ごとの行動計画見直しにつなげるとしている。
初動をどう設計するか初動体制の中でタイムラインの改善を図る(統括庁の説明)海外発生から国内流入という1つのシナリオに限らず、始まり方の違うタイムラインと「危機かどうか」の判断を演習すべき(齋藤委員)統括庁は令和9年度に訓練・研修費を0.85億円から1.51億円に増やす要求。
ワクチン価格に国がどこまで関与するか新型コロナワクチンの価格に国は直接関与せず、価格交渉は自治体が行うという趣旨の説明(厚労省、清山委員の意見書による)自治体が製造販売業者と直接交渉する機会はなく、購買力もない。予防接種基本計画が求める価格の透明性・適正化に国が関与すべき(清山委員 宮崎市長)9/2の分科会で意見書が読み上げられた。制度の見直しは示されていない。

MCM戦略(2026年3月24日閣議決定)、推進会議第22・23回の資料と議事録、感染症部会第106回資料、予防接種・ワクチン分科会第67回議事録、令和9年度概算要求の資料による。

人

中心の会議体の構成員(公開名簿より)。

新型インフルエンザ等対策推進会議

名簿の時点 2026年4月24日現在(委員16人中15人を掲載)

厚生科学審議会 感染症部会

名簿の時点 2026年7月8日現在(委員19人中15人を掲載)

お金

このテーマに束ねた56事業。令和7年度当初 199億円 → 令和8年度要求 275億円。

事業府省当初要求
医療研究開発推進事業費補助金(感染症プロジェクト)(保健衛生医療調査等推進事業費補助金を含む)厚生労働省58.5億円69.7億円
新興・再興感染症研究基盤創生事業文部科学省22.4億円22.5億円
ワクチン等対策事業厚生労働省14.8億円16.9億円
感染症予防事業費等負担金(感染症発生動向調査事業を除く)厚生労働省13.5億円13.5億円
感染症予防事業費等負担金(感染症発生動向調査事業)厚生労働省13.2億円13.2億円
特定感染症検査等事業費厚生労働省12.1億円12.1億円
新興感染症対応力強化事業厚生労働省10.1億円10.3億円
感染症指定医療機関運営費厚生労働省8.9億円10.0億円
公衆衛生上の緊急事態に備えるための国際的なワクチン研究開発等支援事業(CEPI)厚生労働省7.3億円7.3億円
新興・再興感染症臨床研究ネットワーク事業厚生労働省5.9億円9.7億円
感染症発生動向等調査費厚生労働省5.2億円5.2億円
新型インフルエンザ等対策費厚生労働省5.1億円33.5億円
Gaviワクチンアライアンス拠出金外務省5.1億円5.0億円
感染症対策特別促進事業費厚生労働省3.9億円3.9億円
次の感染症危機に対応する司令塔機能の強化内閣官房3.3億円4.0億円
国際感染症危機管理対応人材育成・派遣事業厚生労働省2.0億円2.0億円
感染症危機管理費厚生労働省1.7億円10.7億円
HPVワクチン相談支援事業厚生労働省1.0億円1.0億円
感染症危機管理リーダーシップ人材の育成・確保厚生労働省0.99億円1.00億円
新型インフルエンザ予防接種事故救済給付費厚生労働省0.79億円0.82億円
感染症予防対策費厚生労働省0.67億円1.7億円
ワクチンの安全性実態把握及び予防接種の総合的推進等に関する調査研究事業厚生労働省0.63億円0.63億円
災害・感染症に係る看護職員確保事業厚生労働省0.56億円0.88億円
新型インフルエンザ等対策事業費負担金厚生労働省0.45億円0.45億円
HPVワクチン等に係る普及啓発事業厚生労働省0.34億円0.34億円
ワクチン大規模臨床試験等支援事業厚生労働省0.15億円0.15億円
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金内閣府0円—
新型コロナウイルス感染症緊急包括支援等事業厚生労働省0円0.97億円
ワクチン接種体制確保事業厚生労働省0円—
新型コロナウイルス感染症対策に係る特別事業厚生労働省0円—
国立感染症研究所共通経費厚生労働省0円—
国立感染症研究所運営経費厚生労働省0円—
国立感染症研究所基盤的研究費厚生労働省0円—
国立感染症研究所施設管理事務経費厚生労働省0円—
国立感染症研究所共同利用型高額研究機器整備費厚生労働省0円—
感染症疫学センター経費厚生労働省0円—
感染症危機管理人材養成事業費厚生労働省0円—
国立感染症研究所競争的研究事務経費厚生労働省0円—
ロタウイルスワクチン検定及び品質管理に関する基礎研究厚生労働省0円—
薬剤耐性菌感染症制御研究事業費厚生労働省0円—
国際的脅威となる感染症の流入・蔓延防止を目的とした迅速な診断法の確立等に係る事業費厚生労働省0円—
輸入感染症に対する検査体制強化費厚生労働省0円—
流行地域が変化してきている感染症の診断体制強化と疫学調査の実施に関する事業費厚生労働省0円—
国立感染症研究所施設整備経費厚生労働省0円—
日中韓感染症会議経費厚生労働省0円—
新興感染症対応のための実践的な平時体制強化厚生労働省0円—
治療薬・ワクチン開発研究の推進に向けた基盤整備と人材育成厚生労働省0円—
ワクチン・新規モダリティ研究開発事業内閣府0円—
ワクチン・新規モダリティ研究開発事業文部科学省0円—
ワクチン開発のための世界トップレベル研究開発拠点の形成事業文部科学省0円—
重点感染症のMCM(感染症危機対応医薬品等)開発支援事業厚生労働省0円0.41億円
新型コロナウイルス感染症流行下における介護サービス事業所等のサービス提供体制確保事業厚生労働省0円—
ワクチン接種円滑化システム(情報通信技術調達等適正・効率化推進費)デジタル庁0円—
感染症サーベイランスシステム(情報通信技術調達等適正・効率化推進費)デジタル庁0円—
重点感染症に対するワクチン等開発体制整備事業厚生労働省0円1.00億円
感染症危機対応医薬品等の研究開発プラットフォーム文部科学省0円16.3億円

注目点

  1. 9/30の感染症部会で示されるMCMの支援・法制度の検討事項が、どの法律の改正(または新法)に向かうか。
  2. 令和9年度予算の政府案(12月)で、投資枠で要求したMCM確保支援・国内製造体制支援がどこまで認められるか。
  3. 改正予防接種法の施行日と、RSウイルス抗体製剤を定期接種に加えるかの結論。
  4. 感染症指定医療機関の指定基準(第二種を含む)の見直しと、都道府県を越えた移送の仕組みの整理。
  5. エボラ出血熱のPHEICが続く中での、一類感染症の受け入れ体制と検疫の強化。

出典

この解説は、AI が公開資料と報道を読んで出典つきでまとめ、別の AI が抜き取りで事実確認したものです。数字や日付は出典で確かめてから使ってください。誤りは [email protected] へ。

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